カリフォルニア州で2018年1月より施行される「Ban-the-Box Law」について

カリフォルニアでは、2018年に人事関連の新しい法律がいくつか施行されます。「Ban-the-Box Law」もその一つです。今回はこの新しい法律について、ご紹介させていただきます。

 

2018年1月1日より、カリフォルニア州では新しい法律が施行されます。この法律は「Ban-the-Box Law」と呼ばれるもので、社員5人以上の雇用主は採用段階において応募者に対して過去の逮捕歴や有罪判決歴を尋ねる質問をアプリケーション・フォームの中で設定したり、面接時の質問で尋ねてはならないというものです。コネチカット州、ハワイ州、イリノイ州などではすでに施行されている法律で、カリフォルニア州は全米で施行10番目の州となります。

 

ある特定のマイノリティ・グループにおいては白人層と比べて一般的に逮捕率や犯罪率が高いという統計結果が出ています。この法律は、犯罪歴や逮捕歴に関する質問をすることによって、ある一定のマイノリティ・グループに属する応募者が応募の初期段階で自動的かつ組織的に採用プロセスの中からはじき出されてしまうことを抑制するために雇用主に課すひとつの法的防御策だといえます。

 

もしもオファーレターによる採用内定後にバックグラウンドチェックを行った際に、犯罪歴が見つかった場合には、有罪内容が職務に関連していればオファーレターでの内定の取り消しはできますが、職務に関係のない犯罪歴の場合の内定取り消しは、雇用主として何らかのエビデンスを示す必要があります。また逮捕歴は必ずしも有罪判決が出された犯罪歴とは同一ではないので、逮捕歴だけでは基本的に取り消しすることはさらにハードルが高くなります。逮捕歴と犯罪歴は違うということを認識しておいてください。

 

 

(記事監修)

Pacific Dreams, Inc.

President& CEO

酒井 謙吉

www.pacificdreams.org