【アメリカの人事部】従業員エンゲージメントを高めるポイントとは?

 

 

【アメリカの人事部】従業員エンゲージメントを高めるポイントとは?

 

目次

1. 方法①従業員の価値観を把握する
2. 方法②会社の情報、経営者の考えを伝える
3. 方法③会社のビジョンや方針に沿った人事制度による評価を行う
4. 方法④マネジメント層を教育する
5. 方法⑤従業員にオーナーシップを持たせる
6. 方法⑥働きやすい環境に整備する

 

今回は、エンゲージメントを高める具体的な方法についてご紹介していきます。

そもそも「従業員エンゲージメントが高い」状態とはどういう状態のことを指すのでしょうか。

仕事環境や労働条件に満足しているだけでなく、仕事に情熱、意欲を持ち、「この会社と共に成長し、発展していくために頑張ろう」とするのは、高い従業員エンゲージメントの表れでしょう。

ただし、具体的にどういった状態を「エンゲージメントが高い」と評価するかは、企業によって異なります。

エンゲージメントの高い組織づくりに取り組む際は「どの状態を目標とするか」を具体的に設定し、最適な施策を検討することが重要です。

では、エンゲージメントを高めるために、どのような方法があるのでしょうか?

 

■方法①従業員の価値観を把握する

まずは「診断」のステップを踏むことが重要です。

 

さまざまなアンケート等で従業員の現状を多角的に把握しなければ、誤った方向の施策を実行しかねません。

 

エンゲージメント調査では、良い点だけでなく課題も浮き彫りになります。課題が明確になったら、次はそれを改善、解決するための施策を考え実行し、再度測定を行い効果があったかどうかを検証してPDCAを回す。

 

このように、エンゲージメントを高めるためには長期的な取組みが必要なのです。

 

エンゲージメント総合指標

エンゲージメント総合指標とは、従業員エンゲージメントの総合的なレベルを示す指標です。この指標は、従業員が組織に対してどの程度の忠誠心や関心を持っているかを測定するために使用されます。実際に、この指標はアンケート調査などの様々なデータから算出され、通常は0から100のスケールで表されます。

エンゲージメント総合指標は、従業員のモチベーションや生産性を向上させるために非常に重要です。また、この指標を使用して、組織の弱点を特定し、改善することができます。例えば、指標が低い場合、従業員の声に耳を傾け、改善するためのアクションを取ることが必要です。

 

エンゲージメントレベル指標

エンゲージメントレベル指標は、従業員のエンゲージメントレベルを測定するための非常に重要な指標です。エンゲージメントレベル指標は、アンケート調査などのデータから算出され、通常は0から5のスケールで表されます。

エンゲージメントレベル指標を測定するためには、以下の調査項目が重要です。これらの要素を適切に評価することにより、従業員のエンゲージメントレベルを正確に把握することができます。

 

上司のエンゲージメントレベルの高さ

仕事の充実度とやりがいの程度

組織文化への共感度

役割の明確さと責任の明確さ

成長機会の提供の有無

フィードバックの提供の質と頻度

 

エンゲージメントドライバー指標

エンゲージメントドライバー指標は、従業員エンゲージメントを向上させるための鍵となる要素を示す指標です。エンゲージメントドライバー指標は、アンケート調査などのデータから算出され、通常は0から5のスケールで表されます。高いスコアは、従業員が組織に強い関心を持っており、生産性やパフォーマンスが高いことを示します。

エンゲージメントドライバー指標は、以下の構成要素から構成されます:

 

フィードバックとコミュニケーション

成長機会

社員福利厚生

ワークライフバランス

役割と責任

組織文化

 

これらの指標を把握し、改善に向けたアクションプランを策定することで、従業員エンゲージメントの向上に繋げることができます。

 

■方法②会社の情報、経営者の考えを伝える

会社に対して不信感を持ち、従業員エンゲージメントが下がるのは、会社の情報やトップの考えがオープンにされていないことが原因の1つです。

 

そのため、会社がどこに向かおうとしているのか、どんな世界を実現したいと思っているのか、考えていることやメッセージを定期的に従業員に伝えていく必要があります。

 

社長などの経営層からのメッセージ、普段業務で接する上司からのメッセージなどが正確に現場の従業員に伝わっているのか、そのメッセージに矛盾は無いか、振り返ってみることをおすすめします。

 

■方法③会社のビジョンや方針に沿った人事制度による評価を行う

経営理念や行動指針の浸透には、人事評価との関連づけを行うことも必須です。評価に納得感を得られない場合、上司や会社への不信感につながります。

 

また、人事異動や組織の改変などが起こった場合、周囲がネガティブに受け取らぬよう、できる限り情報をオープンにするほうが良いでしょう。

 

人事制度や評価制度は、経営理念や行動指針を浸透させ、会社の想いを可視化しやすいものです。評価の方法は給与などの金銭的報酬だけでなく、表彰やサンクスメッセージなどの非金銭的な「感情報酬」を活用することもあります。

 

■方法④マネジメント層を教育する

エンゲージメントを高める上ではマネジメント層の強化は必須と言えるでしょう。組織は人数が増えると、コミュニケーションの複雑性が高まります。組織の持つ「複雑性」という宿命を解消するためにマネジメント層が重要な役割を担います。

 

リンクアンドモチベーションでは、組織を「要素還元できない“協働システム”である」と定義しており、要素還元論ではなく関係論を前提に「5人のチームではなく、10本の関係性のある集団」と捉えています。この考え方に立つと、組織が100人に拡大した場合、コミュニケーションチャネルは4950本となり、5人の組織に比べ、複雑性が495倍高まります。

 

また、現場と経営層では下記の通り、日々考える視界が異なります。現場と経営を結節し組織の中のノイズを取り除いていくのがマネジメント層の役割であり、エンゲージメント向上に向けて重要なポジションと言えるでしょう。

 

併せて、様々なトレーニングをしつつ、教育機会や対話で部下の向上心を高めることも重要です。新入社員にサポート役を配置するメンター・メンティー制度を活用するのもひとつの方法です。

 

様々なトレーニングをしつつ、教育機会や対話で部下の向上心を高めましょう。新入社員にサポート役を配置するメンター・メンティー制度を活用するのもひとつの方法です。

 

そのためにも、マネジメント層に「部下へのフィードバック」などに関するトレーニングを実施しましょう。

 

■方法⑤従業員にオーナーシップを持たせる

人は誰でも自発的に物事に取り組むと、自身の能力を開花させたり、成果を上げやすくなったりします。

 

「言われたことをやる」「指示されたこと以外はやらない」といった状況では、成果も上がりづらく、仕事に対して誇りややりがいも感じにくいでしょう。

 

さらに、情報共有頻度の見直しや円滑なコミュニケーション、部下への権限委譲といった「環境整備」と併せて従業員にオーナーシップを発揮してもらえば、エンゲージメントはより高まるでしょう。

 

■方法⑥働きやすい環境に整備する

従業員エンゲージメントを高めるために必須なのが、働きやすい環境を整えることです。評価・給与体系、パソコンやインターネットなどの制度やインフラの充実はもちろん、従業員がストレスを抱えず安心して仕事に取り組める心理的安全性の高い職場づくりに努めることが重要です。

 

リンクアンドモチベーションでは人間を「限定合理的な感情人」と定義しており、人間の振る舞いは限られた場面では合理的である一方、人間の判断や行動には、感情的な側面も大きなウエイトを占めていると考えています。上記を前提にすると、会社へのエンゲージメントを高めるには、企業は「金銭報酬」に加えて「感情報酬」を提供することが重要になります。

 

感情報酬は「貢献欲求」「承認欲求」「親和欲求」「成長欲求」の4つから構成されており、感情報酬を提供する機会を設計することが重要と言えるでしょう。

 

 

 

以上、今回は従業員エンゲージメントを高める方法についてご紹介いたしました。

次回はより具体的に、リンクアンドモチベーションではどのような施策を実施しているのかをご紹介いたします。


まずは自社の従業員エンゲージメントの状況を正しく把握し、それによって向上させるための施策を検討してみてはいかがでしょうか。

 

 

※この記事に関してのご質問は、(株)リンクアンドモチベーション(https://www.lmi.ne.jp/)まで、お気軽にお問い合わせください。 

 


 

【筆者】

株式会社リンクアンドモチベーション

診断領域 領域長

近藤 俊弥(Toshiya Kondo)

 

 

 

【プロフィール】

2007年株式会社リンクアンドモチベーションへ入社し、大手企業、中堅成長ベンチャー企業の風土変革を支援。

2017年に組織調査、改善システムであるモチベーションクラウド事業の責任者に就任し、日々多くの企業を支援。

 

 

 


 

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