【アメリカの人事部】従業員エンゲージメントとは?その①

 

 

【アメリカの人事部】従業員エンゲージメントとは?その①

 

目次

1. 従業員エンゲージメントとは?
2. エンゲージメントが重要視されている背景
3. 従業員エンゲージメントを高めることで得られるメリットとは?
4. 従業員エンゲージメントの測定方法
5. エンゲージメントと従業員満足度の違い

 

昨今、多くの企業で「従業員エンゲージメント」を向上させるための取組みが進んでいます。

今、注目を集めている、従業員エンゲージメントとは何なのでしょうか。今回は、「従業員エンゲージメント」の意味や、エンゲージメントが重要視されている背景、測定方法等を詳しくご紹介します。

 

従業員エンゲージメントとは?

 

「エンゲージメント=engagement」とは、TPOに応じて様々な意味に使い分けられますが、基本的には「深い関わり合いや関係性」を意味する言葉です。

そして、人事領域で使う「従業員エンゲージメント」は、会社と従業員の相互理解・相思相愛度合を表します。

従業員と企業が一体となってお互いに成長し合い絆を深める関係をイメージするとよいでしょう。

 

エンゲージメントが重要視されている背景

 

より良い待遇や環境を求めて転職するのが当たり前になっている昨今、優秀な人材ほどキャリアアップ志向が強く、転職を繰り返す傾向にあります。このような価値観の変化により、多くの企業が人材の獲得・定着に苦心しているのが現状です。

いかに優秀な人材を獲得・定着させるかということが、あらゆる企業の喫緊の課題となっている今、従業員の流出を最小限に抑えるとともに従業員に最大限のパフォーマンスを発揮してもらうために、エンゲージメントという考え方が重視されるようになっています。

また、「従業員エンゲージメントが高くなると企業経営にプラスの影響をもたらす」といった調査結果も出ています。

 

従業員エンゲージメントを高めることで得られるメリットとは?

 

従業員エンゲージメントを高めることで、具体的にどのようなメリットを得られるのでしょうか。

 

■従業員の退職率の低下

リンクアンドモチベーションの研究機関(モチベーションエンジニアリング研究所)と、慶應義塾大学ビジネス・スクールの岩本研究室が、2019年9月24日に発表した研究結果では、「エンゲージメントスコア」(企業と従業員の相互理解・相思相愛度合を測る指数)の向上にあわせて、退職率が低くなる傾向がみられることが分かりました。

 

参考:「エンゲージメントと退職率の関係」に関する研究結果を公開

 

会社と従業員の関係性や、上司と部下の関係性が向上し、信頼関係が担保されていると、コミュニケーションが活発になり、お互いに何を思っているのか、どう感じているのかについて伝え合うハードルが下がります。

すると業務連携が円滑になり何か問題が起こりそうな際に防止策をすぐに打つことも可能になります。よって仕事の出戻りが少なくなり、業務効率化や生産性の向上につながるのみならず、退職率の抑制につながるのです。

 

■企業の業績向上

従業員エンゲージメントの向上によって、企業は業績の向上という大きなメリットが得られます。

こちらも下記の図の通り、株式会社リンクアンドモチベーションと、慶應義塾大学ビジネス・スクール岩本研究室の共同研究により、エンゲージメントスコアを基にした格付けランクである「エンゲージメント・レーティング」の上昇に合わせて、売上・純利益の伸長率が高くなる傾向が見られています。

 

参考:慶應義塾大学との研究結果を公開~エンゲージメントスコアの向上は営業利益率・労働生産性にプラスの影響~

 

■顧客満足度の向上

組織の状態が良くなると、メンバーは意欲的に仕事に取り組むようになります。この意欲は顧客に対しても向けられるため、商品・サービスの質に磨きがかかります。また、チーム内でのコミュニケーションが活発になり、連携が強化されることで、顧客からの改善要望などに迅速に対応できるようになります。その結果、顧客満足度(CS)が向上し、顧客と長期的な関係を構築しやすくなるという好循環が生まれます。

 

■生産性向上

エンゲージメントが高い従業員は、自分たちの仕事にやりがいを感じ、主体的に仕事を進めていくことができます。

また、エンゲージメントが高い職場ではコミュニケーションが活発になり、何かあれば気軽に相談し合える風土も育むことができます。それにより、結果として生産性の高い状態をつくることにつながります。

 

従業員エンゲージメントの測定方法

 

従業員エンゲージメントを測定するためには、定量的な方法と定性的な方法の両方があります。定量的な方法は、アンケート調査や投票などのデータを集めて統計的に分析することで、エンゲージメントのレベルを測定します。

これには、従業員のモチベーション、やる気、満足度、ストレスレベルなどを評価するための質問が含まれます。一方、定性的な方法は、従業員との個別の面談やグループディスカッションなどを通じて、より深い理解を得ることができます。これにより、従業員のフィードバックを直接収集し、問題点を特定し、改善策を立案することができます。

測定の結果に基づいて、従業員エンゲージメントを向上させるためのアクションプランを策定することが重要です。このためには、結果に基づき優先順位を設定し、改善に向けた取り組みを実施する必要があります。

 

■アンケートの実施頻度や設問内容について

従業員エンゲージメントを測定するためのアンケート調査においては、頻度や設問数について目安があります。頻度については、1年に1回程度が一般的ですが、半期ごとや四半期ごとに実施する場合もあります。アンケートの設問内容には、従業員の意見を正確に把握するために、開放的な質問や具体的な改善提案を求める質問が含まれることが望ましいです。また、アンケート結果をフィードバックすることで、従業員のエンゲージメント向上に繋げることができます。

 

エンゲージメントと従業員満足度の違い

 

ここでは、エンゲージメントサーベイとよく行われている従業員満足度調査の違いについて述べていきます。

 

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■エンゲージメントサーベイとは、組織と個人の間の問題を可視化する診断ツール

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先述している通り、エンゲージメントサーベイは組織と個人の結びつきを強化するために現状や課題を可視化する組織診断ツールです。最近退職率が高まっているので、対策を打ちたい変化が激しく、現在の組織状態を確認したい経営からのメッセージが現場まで届いているのか分からない等のお悩みをお持ちの方は、エンゲージメントサーベイを推奨します。

 

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■従業員満足度調査とは、会社の制度等に対する満足度調査のこと

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会社の制度や待遇が変化すると、それに満足できない従業員は会社を去るという選択をします。そのような退職を防ぐために実施するのが、従業員満足度調査だと考えます。エンゲージメントは業績に相関関係があるのに対して、従業員満足度調査では証明されていません。そのために組織変革というよりも、

打った施策に対する従業員の満足度はどうか
制度や待遇の見直しをする際に現状の満足度はどうか
等を把握する際に活用できるツールとなっています。

 

 

以上、従業員エンゲージメントとは何かについてご紹介させていただきました。従業員エンゲージメントとは「会社と従業員の相互理解・相思相愛度合い」のことを表し、退職率、業績、顧客満足度、生産性等と相関があるため、現在注目を集めています。

 

次回は、従業員エンゲージメントを高めるポイントや具体的な施策についてご紹介いたします。

 

※この記事に関してのご質問は、(株)リンクアンドモチベーション(https://www.lmi.ne.jp/)まで、お気軽にお問い合わせください。 

 


 

【筆者】

株式会社リンクアンドモチベーション

診断領域 領域長

近藤 俊弥(Toshiya Kondo)

 

 

 

【プロフィール】

2007年株式会社リンクアンドモチベーションへ入社し、大手企業、中堅成長ベンチャー企業の風土変革を支援。

2017年に組織調査、改善システムであるモチベーションクラウド事業の責任者に就任し、日々多くの企業を支援。

 

 

 


 

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