【アメリカの人事部】【報酬】ロシアのウクライナ侵攻→2022年アメリカの物価上昇と昇給への影響は?

 

   

 

 

 

【報酬】ロシアのウクライナ侵攻→2022年アメリカの物価上昇と昇給への影響は?

 

 

物価上昇率のトレンド

2022年2月24日、多くの方が予想していなかったロシアのウクライナ侵攻。

この状況を受けて企業は2022年の昇給をどのように考えているのか?

▼最新の物価上昇率(消費者物価指数)は労働統計局の資料より確認が出来る。

https://www.bls.gov/news.release/pdf/cpi.pdf

上記リンクにある資料の2ページに掲載されている項目別の物価上昇率を見ると、ガソリンが46.5%で最も大きな要因となっていることが分かる。

 

また、半導体不足と新車供給不足を反映して、中古車の供給不足により中古車が40.5%の上昇になっていることが分かる。

日用品が11.7%、食料品も7%とそれに続く。

 

 

物価上昇率=昇給率なのか?

▼このような状況の中、各企業は昇給率も5%以上を計画するところが増えているというニュースもある。

https://www.cnbc.com/2022/01/07/many-employees-could-be-in-for-pay-hikes-of-5percent-or-more-in-2022.html

 

しかし、Payscaleの統計調査では3%の昇給率を検討している企業が最も多い。

https://www.datawrapper.de/_/KJeYm/

 

一方で人材紹介会社の情報筋によると現在は人材を紹介すると複数の企業からオファーが入り、オファーの金額がどんどんつり上がる傾向にあるという。

 

現在、不動産市場では、低金利の中、売り出し物件が不足しており、売り出し物件には、オファーが5件、10件と入り、どんどん値段がつり上がる状況だと言われているが、現在の人材市場の状況もこのような不動産の状況と似ているような状況だ。

 

人材の報酬市場のオファーも市場調査ではスピードがおいついていかない状況になっているとも言える。実際のオンラインでのオファーの状況や人材紹介会社からの生の情報がより重要になってくるように思われる。

 

 

Great Resignationに地道な対応で効果

そんな中、Oregonでは従業員数500名以上の企業を対象に、スタッフの勤務スケジュールを2週間前にFIXすることが求められているが、この2週間前のスケジューリングが退職率を下げている効果が出ているという。

 

Great Resignationと呼ばれて特にHospitality業界では人手不足が深刻な中、このような地道な(法律で義務づけられたとは言え)スケジューリングの告知の努力等を通じて優秀な人材の維持に工夫することが急務だと言える。

▼Oregonの事前スケジューリング義務づけが退職率を抑制

https://www.hrdive.com/news/study-oregons-predictive-scheduling-law-grew-wages-reduced-turnover/619262/

 

▼Oregonの事前スケジューリングの法律について

https://www.oregon.gov/boli/workers/pages/predictive-scheduling.aspx

 

 

最近の報酬上昇が目立つポジション例

また、特にTech系の仕事では下記のようなポジションのサラリーが上昇傾向にある。人材の採用や優秀人材の維持にマーケットのトレンドを押さえておくことも重要だろう。

 

10 Fastest-Growing Tech Positions by Salary 

 

Occupation

Average Salaries

Change from 2020

Web developer

$98,912

+21.3%

Database administrator

$111,362

+12.4%

Technical support engineer

$77,169

+12.4%

Data analyst

$84,779

+11.5%

UX/UI designer

$101,260

+10.1%

Software developer

$120,204

+8.0%

Computer/mainframe programmer

$97,320

+6.5%

Systems administrator

$88,642

+6.2%

IT management

$151,983

+6.0%

Systems analyst

$93,278

+5.5%

Source: Dice 2022 Tech Salary Report.

 

 

 

 

アマゾンは報酬レンジを大幅に上昇

御社でもポジションごと、あるいはグレードごとに報酬のレンジを設計している例はよくあると思うが、アマゾンでは報酬レンジの上限を今までの$160,000から$350,000へと大幅に上昇させたことが分かった。

特にTech系の人材は高い報酬を提供する必要があることから、このような報酬設計の変更が迫られたと思われる。

2022年の報酬トレンドはさらに上昇傾向にあると言ってよいだろう。

 

▼出所

https://www.shrm.org/ResourcesAndTools/hr-topics/compensation/Pages/amazon-doubles-base-pay-cap-for-corporate-staff-to-stay-competitive.aspx

 

 

この記事に関してご質問は、Philosophy LLC まで、お気軽にお問い合わせください。

 


 
【執筆】
 
 
Philosophy LLC
President
山口 憲和   (Norikazu (Kazu) Yamaguchi)
Email:yamaguchi@yourphilosophy.net  
 
 
【プロフィール】
MBA, SHRM-SCP, California Insurance License 0F78137,
日本キャッシュフローコーチ協会認定コーチ #463。
群馬県高崎市出身
2000年より米国型人事コンサルティングを行う。
2004年からロサンゼルスに拠点を移し、日系企業を中心に500社以上のコンサルティングを経験。米国人事に欠かせない保険のライセンスも取得し米国人事のサポートを行っている。
また、米国人事プロフェッショナルとしての資格 SHRM-SCP=SHRM(Society for Human Resource Management=米国人材マネジメント協会)Senior Certified Professionalを取得。  
 
 
(学歴 )
群馬県立高崎高等学校卒業
東京外国語大学 外国語学部 
中国語学科卒業 中国 復旦大学 国際文化交流学院修了
慶應義塾大学 大学院 経営管理研究科 修士課程修了(MBA)  
 
 
(職歴) 全日本空輸株式会社(ANA) Mercer Human Resource Consulting等を経て現職  
 
 
(共著書)
A&R優秀人材の囲い込み戦略A&R優秀人材の囲い込み戦略  
 
 
 
【会社情報】
Philosophy LLC
Philosophy Insurance Services
所在地:2377 Crenshaw Blvd., Suite 315, Torrance, CA 90501
URL:philosophyllc.com/
TEL  310-465-9173  
 
 
 
【事業内容】
日系企業向け人事コンサルティング・保険代理店業務  
 
 
免責事項:山口憲和は、この記事の中で正確で常識的、倫理的な人事管理、雇用者、職場、保険情報等を提供するために万全を期していますが、山口憲和は弁護士ではなく、この記事の内容は 法的助言として解釈できません。 不確かな場合は、常に弁護士に相談してください。 この電子記事上の情報は、ガイダンスのためだけに提供されており、決して法的助言として提供されるものではありません。この情報を利用して損害が生じた場合でも弊社では責任を負いかねますのでご了承下さい。  
 
 
Disclaimer: Please note that Norikazu Yamaguchi makes every effort to offer accurate, common-sense, ethical Human Resources management, employer, workplace, and Insurance information on this article, but Norikazu Yamaguchi is not an attorney, and the content on this article is not to be construed as legal advice.  When in doubt, always seek legal counsel. The information in the email is provided for guidance only, never as legal advice. We will not be responsible for any damages caused by using this information.    
 
 

 

●「アメリカの人事部」ニューレターのお申込み

クイックUSAは「アメリカの人事部」を発足し、在米日系企業様向けにニュースレターを配信させていただいております。アメリカでビジネスを遂行していくために、必ず知っておかなければならない法律、人事・労務、ビザなどの最新ニュースを定期的にお届けしております。

 

「アメリカの人事部」のニュースレターをご希望の企業様は、下記までお気軽にお申し付けください。   「アメリカの人事部」のニュースレターお申込みご希望の方はお手数ですが、会社名、ご担当者様氏名、役職、電話番号、会社のご住所、E-mailアドレスを明記の上、下記E-mailアドレスまでご連絡くださいますようお願いいたします。 

 

E-mail:info-usjinjibu@919usa.com  

 

     

 

「アメリカの人事部ニュースレター」のバックナンバーをご希望の方は、 E-mail:info-usjinjibu@919usa.com まで、 ご希望のナンバーをお気軽にお知らせください。  

 

【バックナンバー】  

No.1 日本の人事について、トランプ政権発足以降のビザ取得の状況

No.2 人事が知っておくべき高額医療/消費者保護法(CCPA)施行/感染症対策

No.3 コロナウィルス拡大で米国CDCも推奨「在宅勤務」について/シックリーブ

No.4 在宅勤務特集/在宅勤務に関するQ&A

No.5 コロナウイルスに関するQ&A/WiFiの規定/より快適な在宅勤務のコツ

No.6 CDC雇用者向けページを確認しよう/After COVID-19の訴訟について

No.7 ポスト・コロナの職場環境/ビザ取得の状況/WEB面接のコツ

No.8 出社への不安という理由/職場再開における適正な準備と手順

No.9    Return to Workのポリシーを作ろう/オフォス再開に関する一問一答

No.10  コロナ禍で考える「評価制度の構築」/ Don’t be silent ~アメリカの人事は差別との闘いであるから

No.11 移民法、雇用調整助成金(ERC)最新情報

No.12 失業保険の不正受給が急増/評価制度Q&A

No.13 職場におけるコロナ関連訴訟/ オフィス対策/ 感染テスト

No.14  ジョブ型?メンバーシップ型?/自主隔離を終了させる新たなガイドライン

No.15  CA州無給休暇と収入保障/強い企業になる!ブラックスワン比較とは

No.16 ポストコロナの新入社員研修/最新移民法/リモート採用注意点/失業率の推移、学校再開Q&A

No.17 訴訟が多いワースト10/コーチングの活用目的

No.18 緊急有給シックリーブ法の改定/リモートでのコミュニケーション

No.19 各州の雇用に必要な給与額/従業員が感染!会社としての対策とは

No.20 2021年は2.6%昇給すべきか?!/採用もマーケティングと同じ

No.21 バイデン新政権誕生で変わる今後の雇用情勢/H1b申請新基準

No.22 企業が提供する祝日と割合/オンラインホリディパーティゲーム9選

No.23 医療費は上がり続けるのか?

No.24 2021年有給シックリーブ法/何はなくともブランディング

No.25 グラフで振り返る2020年/新世代のコミュニケーションCPaaSとは

No.26 ワクチン接種を強制しますか?/H-1Bビザ抽選プロセスの変更案について

No.27 大統領令と法律の違い/医療費控除を最大に/州政府の仕事を請け負うには

No.28 従業員ベネフィットのトレンド/COVID後のオフィスデザイントレンド

No.29  COVID-19救済法と人事関連情報/コミュニケーションは進化する/音声メディアを考えてみる

No.30  2021年ハンドブック更新の拠り所/まだ間に合う!節税のためのIRA/クラウドサービス利用の秘訣

No.31 大麻使用許可による職場規定とドラッグテストの影響/永遠に勝てる組織を作るには

No.32  あなたの給料はAIが決めてもよいか?/駐在員が絶対に知らないといけない個人税務知識

No.33  アメリカの失業保険制度と給付金/最近のアメリカ移民法事情/日本帰国のポイント  

No.34  リモートワークでの雇用と離職について/短期の離職を抑えるためにできること/音声メディアを考えてみる Part:2

No.35  CA州はマスクを外せないのか?/ここだけは押さえておきたいIRS

No.36  新法HERO Act法とは?/「小さな物語」が組織を変える

No.37  学生スポーツのビジネス化/ リモート、ハイブリッドでの新人教育

No.38  なぜ過去の給与履歴を質問してはいけないのか?/ オンラインビジネスの主な形態  

No.39  来るべき人材採用難と従業員の離職対策/ 新しい「働く」をデザイン-オフィス再開に向けて-/ 「日本型」ジョブ型雇用が抱える課題 

No.40  出張の回復は2024年/ 予定納税ってなに?自分には関係ある? 

No.41  日本にあってアメリカにないものは?/変化の時代ころ「パーパス」について語り合う

No.42  リモートワーク下での人事評価/ 駐在者へのトレーニング

No.43  2019年からの求人数・雇用数の推移/駐在員のジレンマ~相手の価値観と自分の価値観~/米国大使館のEビザ申請の現状

No.44  2022年のSalaryトレンド。インフレ+人手不足で昇給率は更に上がるか?/コロナ後の新しい雇用のカタチ/アメリカ進出!BtoBマーケティングの基本となる8つのポイント

No.45  ワクチン接種を拒む従業員への対応/昇給・給与設定にありがちな問題!~問題を回避する秘訣とは?!~/クラウド時代のネットワークを実現するSecure Access Service Edge(サシー)

No.46  雇用者数の推移と、重要な数値/GILTI(米国外軽課税無形資産所得)とFDII(外国稼得無形資産所得)

No.47  2022年カリフォルニア州の人事関連 新しい法律

No.48  コロナ禍によるパワーシフト | その会議に心理的安全性はありますか?

No.49  各州での最低賃金の上昇 | 日系企業の意識改革の試み

No.50  評価制度を止めた企業はどうなったか? | H-1B、E、Lビザ配偶者の就労許可について

No.51  2022年は日系企業のDEI元年| 個人の確定申告で注意すべき4つのポイント

No.52  健康保険加入でCOVID-19の自宅検査キットが無料に | 人材難が続くアメリカのGreat Resignation~いま何が起こっているのか~

 

 


 

【アメリカでのご採用をご検討中の企業様へ】

 

★採用でお困りなことはありませんか?

クイックUSAでは、アメリカでのご採用のお手伝いをしています。

フルタイム、パートタイム、派遣等、御社のご採用のお手伝いをさせていただきます。

お気軽に下記までご連絡ください。  

 


 

●人事・労務関連のご相談にも応じております。

クイックUSAではハンドブックの作成・見直し、ジョブディスクリプションの作成、セクハラ防止セミナーの開催など、 人事労務関連のご相談も承っております。内容、お見積りなど何でもお気軽に下記までご相談ください。  

 

QUICK USA, Inc.

 

[New York Office ](Headquarters)

8 West 38th Street, Suite 802, New York, NY 10018

Email:quick@919usa.com

Phone: 212-692-0850  

 

[Los Angeles Office ]

1995 W.190th Street, Suite 200 Torrance, CA 90504

Email:quickla@919usa.com

Phone: 310-323-9190  

 

[Dallas Office ] 

5851 Legacy Circle, Suite 600, Plano, TX 75024 

Email:quicktx@919usa.com

Phone: 469-626-5265 

 

 


 

【アメリカでのご転職・就職をお考えの方へ】

 

アメリカでのお仕事探し、就職・転職はクイックUSAにお任せください。

弊社のサービスにご登録がお済みでない方は、まずは英文履歴書のご登録をお願いいたします。

www.919usa.comより、オンライン登録をしていただくか、

quick@919usa.comまでE-mailにて英文履歴書を添付ファイルにてお送りください。

折り返しご連絡させていただきます。  

 

※クイックUSAではニューヨークとロサンゼルスを拠点に全米で、留学生や社会人の求職者に対してアメリカでの就職・転職のお手伝いをしています。ご紹介しているお仕事は、金融、会計、IT、輸出入、人事、営業など多岐に渡ります。  

 

雇用形態はお仕事をお探しの方のライフスタイルに合わせて、 フルタイムのお仕事とテンポラリーのポジションをご紹介。 クイックUSAでは経験豊富なリクルーターが、求職者の皆様一人ひとりのご希望などを伺いアメリカでのキャリアプランを一緒に考えさせていただいています。 アメリカでお仕事をお探しであれば、アメリカ求人多数のクイックUSAに是非ご登録ください!(無料)  

 


 

★★クイックUSAにレジュメのご登録がまだの方は、今すぐご登録ください!★★

 

 

 

クイックUSAでは、ご登録者の方に対して無料のキャリアカウンセリングを実施しています。
★★Emailにてレジュメを送るだけで登録完了のエクスプレス登録もご利用いただけます!★★

         

 

 

アメリカで現在お仕事をされている方、OPTや学生の方など、現在アメリカに住んでいらっしゃる方へ
アメリカでのご転職・就職で何かご質問がございましたら下記よりご連絡ください。

 

 

   


 

[New York Office ](Headquarters)

8 West 38th Street, Suite 802, New York, NY 10018

Email:quick@919usa.com

Phone: 212-692-0850  

 

[Los Angeles Office ]

1995 W.190th Street, Suite 200 Torrance, CA 90504

Email:quickla@919usa.com

Phone: 310-323-9190  

 


 

    

 
クイックUSAでは、LinkedinLINE、InstagramFacebookTwitterでも情報発信をしています。是非、フォローお願いします。