【アメリカの人事部】多業種における日系企業の、コロナ下での意識改革の試み

 

   

 

   

多業種における日系企業の、コロナ下での意識改革の試み

 

コロナで業態が変化し、社内の意識改革の必要性を感じている企業が増えています。弊社にも、2020年中盤から社員の自主性を引き出し、社員主導でプロジェクトや新しい戦略が立ち上がるようにしたい、という経営陣の声が多く聞かれるようになりました。コロナによって社内の働き方が変わり、顧客側の働き方、そして需要も変化し、業界の流れがつかめなくなっていると感じている経営陣たちは、自分たちの今までの経験を使ってのリーダーシップを発揮するだけでは、この変化を効果的に乗り切ることができない、社員の積極的な参加やアイデアを利用しなければ生き残れないかもしれない、と感じ始めています。業種はコロナで業態が変化し、ビジネスモデルの変換を迫られているところが多いですが、旅行業界、IT業界、会計業界など多岐にわたります。それぞれが、意識改革が必要だと経営陣が感じるまでの経過は違うにしろ、いち早くコロナによる混沌を抜け出し、今年後半には新しいビジネスモデルで運営したい、という時間的にもひっ迫した思いは同じです。

 

意識改革へのはじめの一歩

しかし、社内の意識改革、社員の経営参加、と一言で言っても、既に本が何百冊と出ているように、その会社によってたどる道筋は違いますし、一筋縄ではいかない複雑な計画が必要となります。お手伝いした会社のうちの2社は、とにかく意識を変えてもらうために経営陣からメッセージを出そう、と決め、経営陣が考える今後の組織の在り方、社員に持ってほしい仕事への新しい意識と行動規範をわかりやすいアニメーションのビデオにまとめました。アニメーションと言っても、キャラクターが出てくるものではなく、グラフィックやスマートアートなどのビジュアルでわかりやすくコンセプトを整理した3分ほどのアニメーションです。2社のうちの1社は、既に2つ目のアニメーションビデオを作り、過去1年半、ことあるごとに社員に視聴してもらう機会を作り、それが定着したとして次のアニメーションを制作しました。経営陣が考える組織の将来の姿を社員に何度も見せることで、社内での会話を増やし、同時に社員全体からの意見を吸い上げやすく、社内のコミュニケーションや構造を変化させる試みを走らせようという試みです。

 

もう一社は意識改革のための新しいスローガンを作り、それがどのような意味を持っているかをアニメーションビデオにしました。「失敗を恐れずに、もっと挑戦しよう」というメッセージを、その会社の成功事例と共に示し、年初のミーティングから社員に積極的に視聴してもらっています。時期を見て、このスローガンが定着し社内の言葉になってきたら、次の施策を行おう、という計画です。

 

チャンスをとらえるための意識改革

3社目はデジタルトランスフォーメーション(DX)という大きなチャンスを目の前にして、全社員のやる気を喚起し、システムエンジニアにありがちな受け身の文化を一気に変革させる、という本格的な意識改革に着手しました。トップがMITの教授ピーターセンゲの提唱する「学習する組織」に目を付け、選りすぐったチームに「学習する組織」をマスターさせ、そこから全社に広げるという戦略です。「学習する組織」はナイキ、インテル、世界銀行他、日本でもリクルートやJICAが取り入れており、「目的にむけて効果的に行動するために、継続的に学習して成長していく組織」を目指すコンセプト、手法、戦略になります。このような組織になれば、組織内の意識と能力を高め続けることで、どんな状況の変化に遭っても柔軟に対応し、成長を続けることができるわけです。微力ながら、このプロジェクトに弊社が関わらせていただき、チームをピークパフォーマンスで動かすための、ディシプリンやスキルをチーム全員が身に付けるための10か月にわたる研修やディスカッションを計画しています。

 

コロナ革命後を生き残るために

コロナが働く場における与えた影響は、18世紀から始まった数々の産業革命、例えばエネルギー革命、コンピューター革命などと並んで、ひょっとしたら後世においては革命と言われるほどの大きな変化を私たちに与えているのではないかと感じます。従業員の意識や、お客様の働き方や考え方、たくさんの新しいテクノロジーやアプリなど、ばらばらに作用するいろいろな変数が、パンドラの箱を開けたように一気に出現しました。それを受けて、業界や業態は「毎日」といった速さでどんどん変化しており、その変化はつかみどころがありません。こんな中で、自分たちはどの立ち位置で、何に焦点を当て、どんな将来を求めたらいいのか、今こそそれらの探求を深めないと、足元から砂が引くように事業が転落していくような危機感を経営者たちは持っているのです。そんな時に頼れるのは、ここまで一緒に仕事をしてきた従業員の仲間たち。前線で仕事をしてきてくれた彼らのアイデアや意見を、今こそドンドン取り入れて、新しい組織になっていこう、今こそ彼らの協力が必要、と経営者が従業員との新しい関係を求めている、ともいえると思います。これらは、近年顕著になってきた、経営陣と従業員の間のパワーシフトにも影響しているのかもしれません。

 

 

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【執筆者】

 

 

Waterview Consulting Group, Inc.

CEO

今泉江利子

www.waterviewcoaching.com

www.waterviewelm.com

email: eriko@waterviewcoaching.com

914-433-1447  

 

【プロフィール】

米系証券会社での15年の経験後、起業、09年コーチング認証取得、座禅オタク。  

 

【事業内容】

企業研修、コーチング、eラーニングを提供。「駐学」ラーニングポータルサイトHORENSO。    

 


 

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【バックナンバー】  

No.1 日本の人事について、トランプ政権発足以降のビザ取得の状況

No.2 人事が知っておくべき高額医療/消費者保護法(CCPA)施行/感染症対策

No.3 コロナウィルス拡大で米国CDCも推奨「在宅勤務」について/シックリーブ

No.4 在宅勤務特集/在宅勤務に関するQ&A

No.5 コロナウイルスに関するQ&A/WiFiの規定/より快適な在宅勤務のコツ

No.6 CDC雇用者向けページを確認しよう/After COVID-19の訴訟について

No.7 ポスト・コロナの職場環境/ビザ取得の状況/WEB面接のコツ

No.8 出社への不安という理由/職場再開における適正な準備と手順

No.9    Return to Workのポリシーを作ろう/オフォス再開に関する一問一答

No.10  コロナ禍で考える「評価制度の構築」/ Don’t be silent ~アメリカの人事は差別との闘いであるから

No.11 移民法、雇用調整助成金(ERC)最新情報

No.12 失業保険の不正受給が急増/評価制度Q&A

No.13 職場におけるコロナ関連訴訟/ オフィス対策/ 感染テスト

No.14  ジョブ型?メンバーシップ型?/自主隔離を終了させる新たなガイドライン

No.15  CA州無給休暇と収入保障/強い企業になる!ブラックスワン比較とは

No.16 ポストコロナの新入社員研修/最新移民法/リモート採用注意点/失業率の推移、学校再開Q&A

No.17 訴訟が多いワースト10/コーチングの活用目的

No.18 緊急有給シックリーブ法の改定/リモートでのコミュニケーション

No.19 各州の雇用に必要な給与額/従業員が感染!会社としての対策とは

No.20 2021年は2.6%昇給すべきか?!/採用もマーケティングと同じ

No.21 バイデン新政権誕生で変わる今後の雇用情勢/H1b申請新基準

No.22 企業が提供する祝日と割合/オンラインホリディパーティゲーム9選

No.23 医療費は上がり続けるのか?

No.24 2021年有給シックリーブ法/何はなくともブランディング

No.25 グラフで振り返る2020年/新世代のコミュニケーションCPaaSとは

No.26 ワクチン接種を強制しますか?/H-1Bビザ抽選プロセスの変更案について

No.27 大統領令と法律の違い/医療費控除を最大に/州政府の仕事を請け負うには

No.28 従業員ベネフィットのトレンド/COVID後のオフィスデザイントレンド

No.29  COVID-19救済法と人事関連情報/コミュニケーションは進化する/音声メディアを考えてみる

No.30  2021年ハンドブック更新の拠り所/まだ間に合う!節税のためのIRA/クラウドサービス利用の秘訣

No.31 大麻使用許可による職場規定とドラッグテストの影響/永遠に勝てる組織を作るには

No.32  あなたの給料はAIが決めてもよいか?/駐在員が絶対に知らないといけない個人税務知識

No.33  アメリカの失業保険制度と給付金/最近のアメリカ移民法事情/日本帰国のポイント  

No.34  リモートワークでの雇用と離職/短期の離職を抑えるためにできること/音声メディアを考えてみる

No.35 CA州はマスクを外せないのか?/ここだけは押さえておきたいIRS

No.36  NY州新法”HERO Act法”ととは/「小さな物語」が組織を変える

No.37  学生スポーツのビジネス化/ リモート、ハイブリッドでの新人教育

No.38  なぜ過去の給与履歴を質問してはいけないのか?/ オンラインビジネスの主な形態  

No.39  来るべき人材採用難と従業員の離職対策/ 新しい「働く」をデザイン-オフィス再開に向けて-/ 「日本型」ジョブ型雇用が抱える課題 

No.40  出張の回復は2024年/ 予定納税ってなに?自分には関係ある? 

No.41  日本にあってアメリカにないものは?/変化の時代ころ「パーパス」について語り合う

No.42  リモートワーク下での人事評価/ 駐在者へのトレーニング

No.43  2019年からの求人数・雇用数の推移/駐在員のジレンマ~相手の価値観と自分の価値観~/米国大使館のEビザ申請の現状

No.44  2022年のSalaryトレンド。インフレ+人手不足で昇給率は更に上がるか?/コロナ後の新しい雇用のカタチ/アメリカ進出!BtoBマーケティングの基本となる8つのポイント

No.45  ワクチン接種を拒む従業員への対応/昇給・給与設定にありがちな問題!~問題を回避する秘訣とは?!~/クラウド時代のネットワークを実現するSecure Access Service Edge(サシー)

No.46 雇用者数の推移と、重要な数値/GILTI(米国外軽課税無形資産所得)とFDII(外国稼得無形資産所得)

No.47  2022年カリフォルニア州の人事関連 新しい法律

 


 

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