【アメリカの人事部】2022年のSalaryトレンド。インフレ+人手不足で昇給率は更に上がるか?

 

   

 

 

 

2022年のSalaryトレンド。インフレ+人手不足で昇給率は更に上がるか?

 

アメリカの多くのメディアがインフレ、人手不足、そしてZ世代の大辞職現象を報じています。私の身の周りではそこまで大辞職時代を感じさせる現象を感じていませんが、それは日系企業で働く人材にZ世代が少ないからなのでしょうか?

 

今年の前半の調査では、2022年の昇給率も3%程度という調査が多かったようですが、下半期の調査会社のレポートを見ると更に2022年の昇給率予想が上がって来ているようです。調査から見られる特徴を整理してみましょう。

 

1.自分の賃金が少ないと感じている人の割合

労働者のほぼ半数(49%)は、自分たちが値するよりも収入が少ないと考えています。特にZ世代(現在24~29歳=1997年~2021年生まれの世代)の専門家(57%)と女性(52%)は、賃金が上がっていないと感じているようです。

 

2.昇給しなければ辞職する

従業員の3人に1人(31%)は、年末までに給与が上がらなければ、仕事を辞めることを検討すると回答している。働く親(36%)と18~24歳の回答者(48%)は、給与が上がらなければ転職する可能性が最も高い層と言えます。

 

3.2022年の昇給率予算は?

米国の専門職に対する報酬は、2022年に全体で3.8%増加すると予想されます。収益サイクルアナリスト(revenue cycle analyst)やデータベース管理者(database administrator)などの強い需要における役割は、さらに大きな報酬を得る可能性があります。さらに、雇用主の48%は、新しい社員を誘致するために契約金(採用時のボーナス)を提供しています。

 

4.リモートスタッフには別途報酬プログラムを設ける

空きポジションを採用する場合、10人に6人のマネージャー(60%)が、熟練した候補者を見つけるのに時間がかかりすぎる場合、最初に地元を見て、次にオフィスのある都市以外(他州等)の候補者を探すと回答しています。人材不足を考え、18%の採用担当者は最初から全米(あるいは全世界)どこからでも人材候補者を検索しています。

また、リモートワーカーを採用している企業は、次の方法で給与を設定しています。

 

・雇用主の事務所の場所:62%

・従業員の働く場所:38%

 

5.候補者は報酬をパッケージで検討しています。

候補者は採用に応募する時、現金の報酬だけではなく、報酬をパッケージとしていろいろな要素を検討しています。

例:

・柔軟な勤務スケジュール:66%

・リモートワークオプション:56%

・従業員割引:37%

 

厳しい人手不足の中、給与の引き上げは雇用主にとって重要な問題です。企業は定期的に賃金範囲を見直し、期待に応えるために従業員とキャリアパスについて話し合う必要があるでしょう。

 

2022年の給与の見通しは明るいものがありますが、従業員は昇給を要求したり、より高い給与の機会を求めたりする前に、従業員側でも常に市場の調査を行う必要があると思われます。

 

また、昇進の機会やスケジュールの柔軟性など、多くの要因が仕事の満足度に寄与するため、企業側も現金報酬だけでなく、総合的な働く機会を鑑みて戦略を練るべきではないでしょうか。

 

▼出所:Robert Half

https://www.prnewswire.com/news-releases/salary-trends-for-2022-numbers-to-know-in-a-tight-labor-market-301382062.html

 

 

 

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【執筆】
 
 
Philosophy LLC
President
山口 憲和   (Norikazu (Kazu) Yamaguchi)
Email:yamaguchi@yourphilosophy.net  
 
 
【プロフィール】
MBA, SHRM-SCP, California Insurance License 0F78137,
日本キャッシュフローコーチ協会認定コーチ #463。
群馬県高崎市出身
2000年より米国型人事コンサルティングを行う。
2004年からロサンゼルスに拠点を移し、日系企業を中心に500社以上のコンサルティングを経験。米国人事に欠かせない保険のライセンスも取得し米国人事のサポートを行っている。
また、米国人事プロフェッショナルとしての資格 SHRM-SCP=SHRM(Society for Human Resource Management=米国人材マネジメント協会)Senior Certified Professionalを取得。  
 
 
(学歴 )
群馬県立高崎高等学校卒業
東京外国語大学 外国語学部 
中国語学科卒業 中国 復旦大学 国際文化交流学院修了
慶應義塾大学 大学院 経営管理研究科 修士課程修了(MBA)  
 
 
(職歴) 全日本空輸株式会社(ANA) Mercer Human Resource Consulting等を経て現職  
 
 
(共著書)
A&R優秀人材の囲い込み戦略A&R優秀人材の囲い込み戦略  
 
 
 
【会社情報】
Philosophy LLC
Philosophy Insurance Services
所在地:2377 Crenshaw Blvd., Suite 315, Torrance, CA 90501
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日系企業向け人事コンサルティング・保険代理店業務  
 
 
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