【アメリカの人事部】カリフォルニア州はマスクを外せないのか？
カリフォルニア州はマスクを外せないのか？
06/16/21更新
遅れたCal/OSHA Emergency Temporary Standardの改定
カリフォルニア州のニューサム知事は06/15/21から完全ワクチン接種（2回目のCOVID-19ワクチン接種から2週間以上経った人、あるいはジョンソン＆ジョンソンのワクチン接種から2週間以上経った人）の人はマスク不要となり、6ftのソーシャルディスタンスも不要。経済の完全なる再開が期待されていました。
カリフォルニア州の職場はCalifornia Occupational Safety Administration (Cal/OSHA)のガイドラインに従うことになります。Cal/OSHAは11/30/20にCal/OSHA Emergency Temporary Standard(Cal/OSHAETS)を発表し、ほぼ全てのビジネスはCal/OSHA ETSに従い、Covid-19 Prevention Programの作成が義務づけられていました。この時点ではマスク着用の義務や6ftのソーシャルディスタンスのルールが盛り込まれている内容でした。
今回の変更にあたり、今までの経緯を確認すると
05/13/21に CDCが完全ワクチン接種の人はマスク不要と発表。
05/17/21にはOSHA(連邦）がCDCに従うと発表。
Cal/OSHAもCDCのガイドラインに従うと思われていました。
しかし、
Cal/OSHAのEmergency Temporary Standardは
05/07/21に最初の改訂案が出されましたが、Cal/OSHAの投票が行われませんでした。
06/04/21には一人でもワクチン未接種の人が職場にいたら職場ではマスクは外せないというガイドラインに変更されました。そして、このまま投票されて承認されると思われていました。
ところが、
06/11/21に更に3度目の改訂が行われ、基本的にCDCのガイドラインに従い、完全ワクチン接種の従業員はマスク着用不要、6ftの物理的距離も不要と変更されました。変更された内容は06/17/21までに投票されて有効になる予定です。
度重なる変更と発表の延期にCal/OSHAでの議論がかなりもめていることが伺えました。
職場では完全ワクチン接種の従業員はマスクを外せる（予定）
06/04/21に発表された修正案はとても厳しいものでしたが、06/11/21に発表された内容ではかなり緩和されました。
【ポイント】
・CDCのガイドラインに従い、既に完全ワクチン接種の従業員はマスク不要になります。
6ftの物理的距離も不要になります。
・ワクチン未接種の従業員はマスク着用することが継続して求められます。
・物理的距離は06/17/21から不要となります。
・N95のマスクは希望があれば提供（と雇用主向けにゆるやかに） 但し、06/17/21から有効。雇用主はN95のマスクをワクチン未接種の従業員のために準備する必要があります。
ワクチン接種のトラッキングが必須に
完全ワクチン接種をした従業員とワクチン未接種の従業員に対して対応が異なるため、雇用主としては従業員ごとにワクチン接種のトラッキング（Cal/OSHAはDocumentationという言葉を使用）をすることが必要になります。
一方でワクチンの接種に関しては守秘義務を守る必要があります。
また、ワクチンの未接種である従業員に対して、障害のある方や宗教上の信条に対して配慮を行わないと差別になってしまう可能性もあります。
カリフォルニア州の企業にとってみたら、まだまだ厳しい運営が迫られる内容となっています。
▼下記の動画でも今回のCal/OSHAのEmergency Temporary Standardの修正について説明をしているので、ご笑覧下さい。
▼Cal/OSHAのWebページにてETSの最新動向を御確認をいただけると幸いです。
https://www.dir.ca.gov/dosh/coronavirus/ETS.html
もう変更がないことを祈ります。
尚、今回の情報は06/16/21現在の情報であることをご了承下さい。
この記事に関してご質問は、Philosophy LLC まで、お気軽にお問い合わせください。
【執筆】
President
山口 憲和 (Norikazu (Kazu) Yamaguchi)
【プロフィール】
MBA, SHRM-SCP, California Insurance License 0F78137,
日本キャッシュフローコーチ協会認定コーチ #463。
群馬県高崎市出身
2000年より米国型人事コンサルティングを行う。
2004年からロサンゼルスに拠点を移し、日系企業を中心に500社以上のコンサルティングを経験。米国人事に欠かせない保険のライセンスも取得し米国人事のサポートを行っている。
また、米国人事プロフェッショナルとしての資格 SHRM-SCP=SHRM(Society for Human Resource Management=米国人材マネジメント協会）Senior Certified Professionalを取得。
（学歴 ）
群馬県立高崎高等学校卒業
東京外国語大学 外国語学部
中国語学科卒業 中国 復旦大学 国際文化交流学院修了
慶應義塾大学 大学院 経営管理研究科 修士課程修了（MBA）
（職歴） 全日本空輸株式会社（ANA） Mercer Human Resource Consulting等を経て現職
（共著書）
A&R優秀人材の囲い込み戦略A&R優秀人材の囲い込み戦略
【会社情報】
Philosophy Insurance Services
所在地：2377 Crenshaw Blvd., Suite 315, Torrance, CA 90501
TEL 310-465-9173
【事業内容】
日系企業向け人事コンサルティング・保険代理店業務
免責事項：山口憲和は、この記事の中で正確で常識的、倫理的な人事管理、雇用者、職場、保険情報等を提供するために万全を期していますが、山口憲和は弁護士ではなく、この記事の内容は 法的助言として解釈できません。 不確かな場合は、常に弁護士に相談してください。 この電子記事上の情報は、ガイダンスのためだけに提供されており、決して法的助言として提供されるものではありません。この情報を利用して損害が生じた場合でも弊社では責任を負いかねますのでご了承下さい。
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