【アメリカの人事部】水際対策中の日本へ帰国、ポイントは検査証明書

 

     

 

   

 

水際対策中の日本へ帰国、ポイントは検査証明書

 

水際対策により日本での検疫が強化されてから、1年以上が経過した。現在、アメリカでは着々と一般層へのワクチン接種が進んでいるものの、世界的にみるとまだまだパンデミックは収束の気配を見せない。変異株の感染拡大を防ぐため、日本の入国に際しての条件、行動制限措置もより一層厳しくなってきた。それでも海外に暮らす日本人であれば、それぞれの理由で「今、帰らないといけない!」という状況に直面することがあるかと思う。

そんな時にお役立て頂けるよう、アメリカから日本へ帰国する際に必要な水際対策にむけた渡航準備のポイントを解説していきたい。  

 

2021年5月11日現在、日本へ渡航可能なのは日本国籍保持者、または外国籍で特別査証を持っている人のみ。 パスポートの他に、・出国前72時間以内(注1)の検査証明書の提示・質問票Webの回答(QRコード取得)・各アプリのインストール・誓約書提出が求められる。  

 

周知の通り到着時には抗原検査が行われ、結果が陰性であっても翌日から自宅やホテルなどで14日間の自主待機が必要になる。  

 

加えて5月1日よりテネシー、フロリダ、ミシガン、ミネソタ州からの入国者には、日本到着後3日間の検疫所長指定施設での強制隔離措置が入ることになった。基本的にはこの4州に居住している人が対象だが、出国前14日間に出張などで滞在歴があった場合にも措置の対象になるため注意が必要だ。州外に居住している人が該当州の空港を利用して日本へ渡航する場合は、陸路なら自家用車などを使い公共交通機関の利用を避けること。空路なら同日乗り継ぎの場合は同じく滞在歴にはカウントされないが、1泊すると滞在歴ありで隔離される恐れがあるので、その点も考慮した旅程をお勧めする。    

 

ここまで水際対策の概要について説明したが、実際のところ、日本に入国するまでが難しい。必要書類のひとつ、検査証明書のチェックが格段に厳しくなってきているからである。  

 

この検査証明書、今はパスポートと同じくらい大切で、内容が有効とみなされなかった場合には、搭乗拒否や入国拒否で強制送還になる可能性がある。  

 

これまでトラブルになったケースでは、①厚生労働省の指定する所定フォーマットではない②所定フォーマットであるが最新の書式ではない③旅行者本人が一部手書きで記入していたり、修正された跡がある④検体が指定のものと異なる(例 鼻咽頭スワブ=Nasopharyngeal Swabではなく、鼻腔スワブ=Nasal Swabになっている)⑤検査結果判明が出国72時間前であり、検体採取はそれ以前になっている、などが挙げられる。詳細は厚生労働省検査証明書の提示についてで確認可能。  

 

①-③に関して言えば、厚生労働省の上記ウェブサイトでも必要条件を満たせば検査施設や医療機関が各々発行している任意フォーマットも認められる旨の記載があり(注2)、最新書式でないといけないという注意や筆跡の違いや手書きは認めないという文言もない。それぞれの航空会社が独自の基準で指標を作り、無効と判断する部分も大きいようだ。  

 

特に任意フォーマットについては内容を照合する際に、例外が出やすく、有効かどうかを判断するのが難しい場合が多いのだろう。④の検体についても、いずれかの明記がない、又はどちらの記載もある、という場合には搭乗拒否の対象だ。必要な部分がしっかり明記されており、かつ、無効となるワードは一切見当たらないことが求められる。そうなるとやはり、航空会社、検疫官どちらの観点から見ても、所定フォーマットの利用が望ましいと言える。任意フォーマットでも飛行機に乗れる可能性は勿論あるが、各チェックポイントで確認により時間がかかったり、アメリカ国内線出発時はOKが出たのに、国際線出発時に拒否となるようなケースもある。  

 

このような状況から所定フォーマットへの記入をしてくれる検査施設を見つけるか、最寄りの施設で受けた検査結果証明書をメールすると、同じ内容を所定フォーマットで発行してくれる医療機関もあるので、そういったサービスを利用して万全に備えるのが安心だ。  

 

なお前述の通り、普段よりも書類確認に時間を要すため、国際線チェックインは早めに、国内線から乗り継ぎのある人は接続時間に余裕を持ったフライトで旅程を組むこともお忘れなく。    

 

 

証明書の準備が終われば、出発日までに指定されたアプリのインストールを事前に済ませておくこと。空港だとWiFiが安定しないことがある。スマートフォンを持っていない人や、対応機種でなかった場合には現地での有料レンタルがあり、日本に到着してからでもインストールのサポートはあるが、やはり時間がかかるのでご留意頂きたい。  

 

またフライト搭乗時には質問票WebQRコードの確認があるため、空港への出発前か到着してすぐに手続きしておくと良い。質問が多いので、時間に余裕をもって準備しておくのがお勧めである。子供も一人とカウントし、それぞれ最後にQRコードをスクリーンショットにて保存しておく。  

 

機内では誓約書と、健康カードを記入する。日本に到着すると、各必要事項のチェックのため、大変な距離を歩く事になる。言わずもがな、歩きやすい靴で出かけ、またたくさんの書類を抱える事になるので、クリアファイルと筆記用具をセットにして持っていくと良い。    

 

 

この1年間、航空会社スタッフも検疫官も、とても親切に対応してくれたという旅行者のフィードバックが目立つ。ルールが目まぐるしく変わる中で、現場で働く人々は常に真摯に対応してくれている。旅行者としても定められたルールを守って、少しでも円滑な流れとなるよう万全の態勢で渡航してほしい。

 

注:

1)日本行き国際線フライトの出発時刻から遡って72時間以内に検体採取した検査の証明書のみ有効。木曜日の11:00発のフライトであれば、月曜日の11:00以降に検査を受ける必要がある。  

 

2)2021年5月11日現在、出発地で所定フォーマットによる検査証明書を取得できない等の特段な事情がある場合には、出発地の在外公館に前広にご相談願います。との文言が追記されている。

 

 

※この記事に関してのご質問は、IACE TRAVELまで、お気軽にお問い合わせください。  

 


【執筆】

IACE TRAVEL

Senior Corporate Travel Consultant

臂 薫(Hiji Kaoru)

Email :travel@iace-usa.com  

 

【プロフィール】

大阪出身、カナダトロント在住。2013年のIACE TRAVEL入社以来、アメリカ中西地区の法人のお客様を中心に旅のお手伝いをしています。

 

【会社情報】

社名:IACE TRAVEL

www.iace-usa.com  

 

【事業内容】

旅行業務全般・航空券・ホテル・レンタカー・ツアー・JR パス・リムジン手配・プライベートジェット手配・旅行保険・ミーティングルーム手配・Visa手配  など

 


 

●「アメリカの人事部」ニューレターのお申込み

 

クイックUSAは「アメリカの人事部」を発足し、在米日系企業様向けにニュースレターを配信させていただいております。アメリカでビジネスを遂行していくために、必ず知っておかなければならない法律、人事・労務、ビザなどの最新ニュースを定期的にお届けしております。「アメリカの人事部」のニュースレターの受信をご希望の企業様は、下記までお気軽にお申し付けください。  

 

「アメリカの人事部」のニュースレターお申込みご希望の方はお手数ですが、会社名、ご担当者様氏名、役職、電話番号、会社のご住所、E-mailアドレスを明記の上、下記E-mailアドレスまでご連絡くださいますようお願いいたします。  

 

E-mail:info-usjinjibu@919usa.com  

 

     

 

「アメリカの人事部ニュースレター」のバックナンバーをご希望の方は、 E-mail:info-usjinjibu@919usa.com まで、ご希望のナンバーをお気軽にお知らせください。  

 

【バックナンバー】

No.1 日本の人事について、トランプ政権発足以降のビザ取得の状況

No.2 人事が知っておくべき高額医療/消費者保護法(CCPA)施行/感染症対策

No.3 コロナウィルス拡大で米国CDCも推奨「在宅勤務」について/シックリーブ

No.4 在宅勤務特集/在宅勤務に関するQ&A

No.5 コロナウイルスに関するQ&A/WiFiの規定/より快適な在宅勤務のコツ

No.6 CDC雇用者向けページを確認しよう/After COVID-19の訴訟について

No.7 ポスト・コロナの職場環境/ビザ取得の状況/WEB面接のコツ

No.8 出社への不安という理由/職場再開における適正な準備と手順

No.9    Return to Workのポリシーを作ろう/オフォス再開に関する一問一答

No.10  コロナ禍で考える「評価制度の構築」/ Don’t be silent ~アメリカの人事は差別との闘いであるから

No.11 移民法、雇用調整助成金(ERC)最新情報

No.12 失業保険の不正受給が急増/評価制度Q&A

No.13 職場におけるコロナ関連訴訟/ オフィス対策/ 感染テスト

No.14  ジョブ型?メンバーシップ型?/自主隔離を終了させる新たなガイドライン

No.15  CA州無給休暇と収入保障/強い企業になる!ブラックスワン比較とは

No.16 ポストコロナの新入社員研修/最新移民法/リモート採用注意点/失業率の推移、学校再開Q&A

No.17 訴訟が多いワースト10/コーチングの活用目的

No.18 緊急有給シックリーブ法の改定/リモートでのコミュニケーション

No.19 各州の雇用に必要な給与額/従業員が感染!会社としての対策とは

No.20 2021年は2.6%昇給すべきか?!/採用もマーケティングと同じ

No.21 バイデン新政権誕生で変わる今後の雇用情勢/H1b申請新基準

No.22 企業が提供する祝日と割合/オンラインホリディパーティゲーム9選

No.23 医療費は上がり続けるのか?

No.24 2021年有給シックリーブ法/何はなくともブランディング

No.25 グラフで振り返る2020年/新世代のコミュニケーションCPaaSとは

No.26 ワクチン接種を強制しますか?/H-1Bビザ抽選プロセスの変更案について

No.27 大統領令と法律の違い/医療費控除を最大に/州政府の仕事を請け負うには

No.28 従業員ベネフィットのトレンド/COVID後のオフィスデザイントレンド

No.29  COVID-19救済法と人事関連情報/コミュニケーションは進化する/音声メディアを考えてみる

No.30  2021年ハンドブック更新の拠り所/まだ間に合う!節税のためのIRA/クラウドサービス利用の秘訣

No.31 大麻使用許可による職場規定とドラッグテストの影響/永遠に勝てる組織を作るには

No.32  あなたの給料はAIが決めてもよいか?/駐在員が絶対に知らないといけない個人税務知識  

 


 

【アメリカでのご採用をご検討中の企業様へ】

★採用でお困りなことはありませんか?

クイックUSAでは、アメリカでのご採用のお手伝いをしています。 フルタイム、パートタイム、派遣等、御社のご採用のお手伝いをさせていただきます。 お気軽に下記までご連絡ください。  

 


 

●人事・労務関連のご相談にも応じております。

クイックUSAではハンドブックの作成・見直し、ジョブディスクリプションの作成、セクハラ防止セミナーの開催など、 人事労務関連のご相談も承っております。内容、お見積りなど何でもお気軽に下記までご相談ください。  

 

QUICK USA, Inc.

[Los Angeles Office ](Headquarters)

1995 W.190th Street, Suite 200 Torrance, CA 90504

Email:quickla@919usa.com Phone: 310-323-9190  

 

[New York Office ]

8 West 38th Street, Suite 802, New York, NY 10018

Email:quick@919usa.com

Phone: 212-692-0850  

 


 

【アメリカでのご転職・就職をお考えの方へ】

アメリカでのお仕事探し、就職・転職はクイックUSAにお任せください。  

弊社のサービスにご登録がお済みでない方は、まずは英文履歴書のご登録をお願いいたします。

www.919usa.comより、オンライン登録をしていただくか、

quick@919usa.comまでE-mailにて英文履歴書を添付ファイルにてお送りください。

折り返しご連絡させていただきます。  

 

※クイックUSAではニューヨークとロサンゼルスを拠点に全米で、留学生や社会人の求職者に対してアメリカでの就職・転職のお手伝いをしています。ご紹介しているお仕事は、金融、会計、IT、輸出入、人事、営業など多岐に渡ります。  

 

雇用形態はお仕事をお探しの方のライフスタイルに合わせて、 フルタイムのお仕事とテンポラリーのポジションをご紹介。 クイックUSAでは経験豊富なリクルーターが、求職者の皆様一人ひとりのご希望などを伺いアメリカでのキャリアプランを一緒に考えさせていただいています。   アメリカでお仕事をお探しであれば、アメリカ求人多数のクイックUSAに是非ご登録ください!(無料)  

 


 

★★クイックUSAにレジュメのご登録がまだの方は、今すぐご登録ください!★★

 

 

 

クイックUSAでは、ご登録者の方に対して無料のキャリアカウンセリングを実施しています。
★★Emailにてレジュメを送るだけで登録完了のエクスプレス登録もご利用いただけます!★★

   

 

     

アメリカで現在お仕事をされている方、OPTや学生の方など、現在アメリカに住んでいらっしゃる方へ
アメリカでのご転職・就職で何かご質問がございましたら下記よりご連絡ください。

 

 

   


 

QUICK USA, Inc.

[Los Angeles Office ](Headquarters)

1995 W.190th Street, Suite 200 Torrance, CA 90504

Email:quickla@919usa.com

Phone: 310-323-9190  

 

[New York Office ]

8 West 38th Street, Suite 802, New York, NY 10018

Email:quick@919usa.com

Phone: 212-692-0850

 

 


 

    

 
クイックUSAでは、LinkedinLINE、InstagramFacebookTwitterでも情報発信をしています。是非、フォローお願いします。