【アメリカの人事部】あなたの給料はAIが決めてもよいか?

 

 

     

 

 

あなたの給料はAIが決めてもよいか?

   

 

実はあなたの給与は既にAIが決めている?

アメリカではAI(Artificial Intelligence)が従業員の給与決定に大きな役割をしめつつある。AIが計算することで、同じ仕事内容を同じに処遇すること(差別をなくして同一労働同一賃金を進めること)にも大きな役割を果たしている。更に、COVID-19の環境下、遠隔地に移住してリモートワークする従業員の地域的な報酬の調整をAIに依頼したり、トップパフォーマーが他社に移ることを阻止できるような報酬水準を提供するためにAIが活躍したりしている。特にDiversity, Equity, and Inclusionの時代ともなると人間が決定するよりも差別の訴訟が少なくなるかもしれない。(あるいは今度はAIのアルゴリズムが訴訟を受けるようになるのだろうか?)    

 

 

あなたはAIが給与をきめることに懐疑的だろうか?

しかし、部下の給与決定がAIに頼っている事に対して従業員からAIのアルゴリズムに懐疑的な声が寄せられることも多くある。

Gartner社の調査(5,000名のグローバル企業従業員と55名の報酬責任者への調査)によると約60%の企業がAIを利用して給与決定をすることに対して従業員が反対することを恐れていた。また、約70%の回答者は従業員のパフォーマンスをAIが正当に評価できるか懸念を抱いていることが分かった。  

 

一方で、調査をしたガートナー社の見解としては、従業員がAI主導の給与決定を受け入れる可能性が高いと予想している。誰が報酬を決定したか、よりも賃金が何の要素で決定されるかの方が重要だという。  

 

 

AIを恐れているのはHRプロフェッショナル自身かもしれない。

実はこのAI主導の給与決定を恐れているのはHRプロフェッショナル自身かもしれない。この調査はHRプロフェッショナルにも質問しているからだ。HRプロフェッショナルは長年培われた報酬設計の技術や経験をもっていてそれを武器にキャリアを築いてきたはずだ。我々HRコンサルタントも報酬設計のスキルや報酬調査の利用の仕方を武器に仕事をしてきた。その知恵、経験、スキルがAIによってとって代わられるとなると脅威かもしれない。    

 

 

AI導入のステップとは?

そこで、AI活用の方法として今行われているのが、マネジャーから権力を奪うのではなく、より客観的なデータを提供して適切な意思決定を支援するという導入方法だ。

そして、マネジャーが下した決定とアルゴリズムの下した決定とを比較検討して実際の給与決定を進める方法がとられている例がある。

また、導入のステップとしては、報酬全面的にAIを導入するのではなく、短期インセンティブだけに利用したり、ベースサラリーの昇給の部分でのみ利用する、といった部分的な導入が考えられる。    

 

 

実際にAIを導入した事例

たとえば、ADP(給与計算会社)は、集約および匿名化された報酬ベンチマークサービスをAIで補完して、ユーザーが新入社員の給与範囲を設定するのに役立つ「Aスコア」と呼ばれるものを作成している。ADPでは特にこの方法を採用時の給与決定に活かしているようだ。

また、賃金制度の変更をする際に、会社のマネジャー全員に研修をするよりもAIでアルゴリズムを変更する方が簡単だとも言われる(アメリカではマネジャーが採用の権限や給与決定の権限をもっていることが多い)。  

 

あたらしい技術は特に既得権益をもっている人にとっては脅威だ。しかし、「え?昔は自動車って人が運転していたんですか?」という若者が出てくるかもしれない。同じく「え?昔は給与って人が決めていたんですか?」と若者に言われる時代が来るかも知れない。    

 

 

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【執筆】
 
 
Philosophy LLC
President
山口 憲和   (Norikazu (Kazu) Yamaguchi)
Email:yamaguchi@yourphilosophy.net  
 
【プロフィール】
MBA, SHRM-SCP, California Insurance License 0F78137,
日本キャッシュフローコーチ協会認定コーチ #463。
群馬県高崎市出身
2000年より米国型人事コンサルティングを行う。
2004年からロサンゼルスに拠点を移し、日系企業を中心に500社以上のコンサルティングを経験。米国人事に欠かせない保険のライセンスも取得し米国人事のサポートを行っている。
また、米国人事プロフェッショナルとしての資格 SHRM-SCP=SHRM(Society for Human Resource Management=米国人材マネジメント協会)Senior Certified Professionalを取得。  
 
 
(学歴 )
群馬県立高崎高等学校卒業
東京外国語大学 外国語学部 中国語学科卒業
中国 復旦大学 国際文化交流学院修了
慶應義塾大学 大学院 経営管理研究科 修士課程修了(MBA)  
 
 
(職歴)
全日本空輸株式会社(ANA)
Mercer Human Resource Consulting等を経て現職  
 
(共著書)
A&R優秀人材の囲い込み戦略A&R優秀人材の囲い込み戦略  
 
 
【会社情報】
Philosophy LLC
Philosophy Insurance Services
所在地:2377 Crenshaw Blvd., Suite 315, Torrance, CA 90501
URL:philosophyllc.com/
TEL  310-465-9173  
 
 
【事業内容】
日系企業向け人事コンサルティング・保険代理店業務  
 
免責事項:山口憲和は、この記事の中で正確で常識的、倫理的な人事管理、雇用者、職場、保険情報等を提供するために万全を期していますが、山口憲和は弁護士ではなく、この記事の内容は 法的助言として解釈できません。 不確かな場合は、常に弁護士に相談してください。 この電子記事上の情報は、ガイダンスのためだけに提供されており、決して法的助言として提供されるものではありません。この情報を利用して損害が生じた場合でも弊社では責任を負いかねますのでご了承下さい。  
 
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