【アメリカの人事部】従業員に提供する会社からのシックリーブ

 

     

 

     

 

 

従業員に提供する会社からのシックリーブ

 

アメリカでも新型コロナウイルス感染のニュースが社会全体の重大な懸念として飛び交うようになった今日この頃ですが、それにともない日系企業様からの従業員に与えるシックリーブあるいはPTO(Paid Time-Off; 有給休暇)につきましてのご質問も弊社に連日のように寄せられるようになりました。そこで、シックリーブに関しまして、今回はその運用上のポイントについて具体的にまとめてみたいと存じます。  

 

まずシックリーブは従業員ご本人とご本人の家族が病気や怪我などで治療や療養をとらなければならないときに使える会社の制度であり、通常は有給で会社から提供されている、従業員向けのベネフィットのひとつになります。さらにカリフォルニアやオレゴン、ワシントン、ニュージャージーやニューヨークシティなどのいくつかの州や都市では州法または市の条例によって有給でのシックリーブの提供を企業に義務付けているところが増えてきています。そうしますと、会社としては、シックリーブは従業員のためのベネフィットになりますから、日頃からシックリーブをとってはならないというような言動や雰囲気を職場で出すようなことがあってはならないというのがまずは第一の原則になります。  

 

次に従業員が少しでも体調がすぐれなかったり、風邪気味であったりしたら、出勤するのは控えさせ、自宅でシックリーブを使って休ませることを会社として全従業員に奨励してください。シックリーブを会社の制度としてもっていなかった場合、従業員、特にNon-Exempt の従業員は会社を休んだら、給料が出ないことになりますので、自分の体調不良を押してでも会社に来る人はアメリカには多くいて、実に3分の1の従業員は体調が悪くても会社に出るといいます。このような状況を英語で ”Presenteeism” と呼んでいて、実際に多くの弊害が職場に顕著に表れてしまいます。当然のことながら、体調が悪ければ従業員の生産性は落ち、集中度は下がり、仕事上のミスも増えます。それよりももっと深刻であるのは自分の風邪や流感を他の従業員にうつすリスクで、職場に病を蔓延させてしまいかねません。  

 

ということで、これらはまさに言わずもがなのことなのですが、明らかに体調のよくない従業員が職場にいた場合には会社は従業員を自宅に送り帰す権限をもちます。ではその際に、シックリーブまたはPTOがある従業員は有給で休ませることができますが、シックリーブやPTOをすべて使い切ってしまった従業員、あるいは試用期間中の従業員などはそれらがまだ使用できない段階にあるあるため、休みとなると無給の状態になってしまうわけです。そのような場合には、シックリーブやPTOの前貸しをその上限を決めた上で認めてあげていただくことをぜひとも検討してみてください。会社の従業員ハンドブックに前貸しは一切認めないと会社ポリシーには書かれていても、ポリシーの改定も含めて、柔軟に対応していただくことがより重要だと申し上げられます。  

 

さらに、自宅に帰らせた後は、仕事は一切させずにゆっくりと休ませることが大原則で、家に仕事をもち帰らせるようなことは認めるべきではありません。もしもどうしても家で仕事をしなければならないような場合には、Non-ExemptおよびExemptの従業員ステータスを問わず、事前に上長の許可を必ず取ることを徹底させてください。従業員が許可無く勝手に仕事を家でやった場合であっても会社は給与支払いの責任は負わせられますが、逆に会社はそのような従業員には警告を発し、警告してもそれを繰り返すような従業員がいたら、正式な会社の懲戒手順に基づき、最終的には解雇にまで至ることを文書で明確に従業員に伝えてください。 

 

体調を崩したお子さんを学校からピックアップするときにもシックリーブは使えますので、シックリーブは従業員の使い勝手が良いように1時間あるいは30分単位で取れるようにしてあげることも考慮に入れておいてほしいと思います。また、家族の病気や怪我でもシックリーブは使えるわけですが、「家族」の定義は州や市によって違いますので、どこまでがシックリーブの適用になる法律で認められた家族であるのかを会社としても従業員としても共通の理解をもっておくことが必要です。ドメスティックパートナーと呼ばれる同棲者、仮にその人が同性であっても州法や市条例では家族として認定されています。またそのドメスティックパートナーの両親や子供も家族の一員であると定義されます。  

 

以上がシックリーブのまとめとなります。さらに毎日の職場にあって、予期せぬ事態や突飛なご質問なども従業員の間から出てくることがあるのではないかと察します。そのようなときには、見切り発車で対応されるのではなく、労務の専門家などにぜひともご相談をしてからのご対応にしてほしいと思います。私たちはそのために皆様にお力になりたいと願い、スタンバイしております。  

 

この記事に関してのご質問は、Pacific Dreams, Inc.まで、お気軽にお問い合わせください。

 


 

【執筆】

Pacific Dreams, Inc.

President & CEO

酒井健吉

Ken Sakai

8532 SW St Helens Dr. Wilsonville, OR 97070

www.pacificdreams.org

Email : kenfsakai@pacificdreams.org

Phone: 503-783-1390  

 

【酒井健吉氏プロフィール】

         

 

信州大学卒業後、YMCAでの語学講師などを経て1987年にオレゴンに渡米。当時三菱金属(現:三菱マテリアル)が買収した米国半導体シリコン製造会社に勤務。1996年に退職後、パシフィック・ドリームズ社を立上げ、在米日系企業ならびに米国企業のクライアントを対象に人事管理コンサルティング、マーケティングと異文化コミュニケーションのノウハウを提供している。また全米各地で、毎月日系企業向けの人事セミナーを精力的に展開している。

 


 

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