【アメリカの人事部】米国雇用情勢レポート(5月)
.jpg)

【アメリカの人事部】米国雇用情勢レポート(5月)
<現時点ではなお均衡を保つ雇用情勢>
雇用情勢を見る上で最も注目される、米労働省発表の雇用統計(4月)では、失業率は労働参加率が上昇する中でも4.2%と前月から変わらず、非自発的なパートタイマーを加えた広義の失業率(U6)も前月から0.1ポイント低下した。失業率以外の指標についても、非農業部門新規雇用者数の伸びは17.7万人と市場予想を上回り、平均労働時間も34.3時間と前月から変化はなかった。雇用統計の結果は総じて良好な内容となっていると言えそうだ。もっとも、新規雇用者数の内容を見ると、運輸・倉庫業など駆け込み輸入に伴う在庫積み増しの影響ともとれる内容も一部に含まれている点に留意が必要だ。
<雇用統計以外の主な指標の動向>
上記以外の雇用関連の指標では、米労働省が発表している失業保険給付者数については、新規給付者数は4月平均では22万6000件と前月からほぼ変更はなく、雇用統計の対象期間以降となる4月第3週以降も引き続き大規模なレイオフは実施に至っていないことが示唆されている。しかしながら、4月の地区連銀報告では、いくつかの地区連銀から、中小企業や派遣労働者を中心に徐々にレイオフなどが実施されているとの報告もなされはじめている。関税引き上げに伴う価格転嫁はBtoB企業を中心に既に始まっているが、取引先に対して特別な価格交渉力を持たず、関税コストを自社で負担せざるを得ない企業が、これを吸収する手段としてレイオフを含む雇用調整を実施しているもようだ。BtoC企業に関しても、在庫がなくなった段階で消費者への転嫁and/or自社でのコスト負担を本格的に検討することとなるため、こうした雇用への下押し圧力は今後更に顕在化してくるとみられる。こうしたことから、エコノミストの中では5月の雇用統計から徐々に雇用減速の兆候が出始めるとの声も聞かれる。
<今後の雇用情勢を左右し得るもの>
このように、当面は関税コストを消費者や取引先に対してどの程度転嫁できるか、最終的には消費の堅牢さがどの程度保たれるのか、という点が企業収益≒雇用情勢を左右する最も重要な論点になるとみられる。ただし、それ以外にも、①日本をはじめとする各国との関税交渉が最終的にどのような着地点を見せるのかといった関税政策の動向、②強いドルによって関税引き上げに伴う輸入コストをどの程度オフセットできるかといった為替の動向、③GHG排出量規制等の緩和によって、どの程度投入コストを下げられるかといった規制緩和の動向、④労働コストの上昇を抑制するため移民をどの程度許容しつづけるのかといった移民政策の動向、⑤法人税減税等を含む減税法案の動向、⑥税制や取引先のビジネスに影響を与えうる連邦議会及び行政府による歳出削減の動向、⑦金利コストや金融機関の貸出態度など資金調達環境の動向、なども企業収益≒雇用情勢に影響し得る。関連する政策の実施スピードについてはまちまちな状態であるが、いずれも今後数カ月の間に動きがあり得るテーマであり、これらの動向を複合的に捉えながらウォッチしていく必要がありそうだ。
【執筆】
JETRO NY
ニューヨーク事務所
調査担当ディレクター
加藤 翔一 (shoichi Kato)
「プロフィール」
東北大学公共政策大学院卒。2009年、内閣府入府。
内閣府では、マクロ経済分野や地方活性化分野を中心に政策立案に携わる。マクロ経済分野では、欧州政府債務危機時に欧州経済及び世界経済の動向分析を担当したほか、一億総活躍社会の実現に向けた中長期の経済・財政の在り方のプランニング等を担当。地方活性化分野では、岸田政権の「デジタル田園都市国家構想」の立ち上げやフレームワーク設計などを担当。
2023年7月よりJETROニューヨーク事務所に出向。出国のマクロ経済、財政政策を中心に、調査・情報発信を行っている。
●「アメリカの人事部」ニュースレターのお申込み
クイックUSAは「アメリカの人事部」を発足し、在米日系企業様向けにニュースレターを配信させていただいております。アメリカでビジネスを遂行していくために、必ず知っておかなければならない法律、人事・労務、ビザなどの最新ニュースを定期的にお届けしております。
「アメリカの人事部」のニュースレターをご希望の企業様は、下記までお気軽にお申し付けください。 「アメリカの人事部」のニュースレターお申込みご希望の方はお手数ですが、会社名、ご担当者様氏名、役職、電話番号、会社のご住所、E-mailアドレスを明記の上、下記E-mailアドレスまでご連絡くださいますようお願いいたします。
E-mail:info-usjinjibu@919usa.com
「アメリカの人事部ニュースレター」のバックナンバーをご希望の方は、
E-mail:info-usjinjibu@919usa.com まで、 ご希望のナンバーをお気軽にお知らせください。
【アメリカでのご採用をご検討中の企業様へ】
★採用でお困りなことはありませんか?
クイックUSAでは、アメリカでのご採用のお手伝いをしています。
フルタイム、パートタイム、派遣等、御社のご採用のお手伝いをさせていただきます。
お気軽に下記までご連絡ください。
●人事・労務関連のご相談にも応じております。
クイックUSAではハンドブックの作成・見直し、ジョブディスクリプションの作成、セクハラ防止セミナーの開催など、 人事労務関連のご相談も承っております。内容、お見積りなど何でもお気軽に下記までご相談ください。
QUICK USA, Inc.
[ New York Office ](Headquarters)
150 East 52nd Street, Suite 17001, New York, NY 10022
Email:quick@919usa.com
Phone: 212-692-0850
[ Los Angeles Office ]
970 W.190th Street, Suite 590 Torrance, CA 90502
Email:quickla@919usa.com
Phone: 310-323-9190
[ Dallas Office ]
5525 Granite Parkway, Suite 740, Plano, Texas 75024
Email:quicktx@919usa.com
Phone: 214-563-4248
[ Chicago Office ]
10 N. Martingale Road Suite 400, Schaumburg, IL 60173 USA
Email:quickil@919usa.com
Phone: 646-796-6393
[ Orange County Office ]
2211 Michelson Dr, Suite 900, Irvine, CA 92612
Email:quickla@919usa.com
Phone: 310-722-3813
[ Atlanta Office ]
303 Perimeter Center N Suite. 300, Atlanta, GA 30346 USA
Email:quickga@919usa.com
Phone: 404-706-5266
[ Detroit Office ]
39555 Orchard Hill Place Crystal Glen, # 600, Novi, MI 48375
Phone: 847-791-2504
【アメリカでのご転職・就職をお考えの方へ】
★アメリカでのお仕事探し、就職・転職はクイックUSAにお任せください。
弊社のサービスにご登録がお済みでない方は、まずは英文履歴書のご登録をお願いいたします。
www.919usa.comより、オンライン登録をしていただくか、
quick@919usa.comまでE-mailにて英文履歴書を添付ファイルにてお送りください。
折り返しご連絡させていただきます。
※クイックUSAではニューヨークとロサンゼルスを拠点に全米で、留学生や社会人の求職者に対してアメリカでの就職・転職のお手伝いをしています。ご紹介しているお仕事は、金融、会計、IT、輸出入、人事、営業など多岐に渡ります。
雇用形態はお仕事をお探しの方のライフスタイルに合わせて、 フルタイムのお仕事とテンポラリーのポジションをご紹介。 クイックUSAでは経験豊富なリクルーターが、求職者の皆様一人ひとりのご希望などを伺いアメリカでのキャリアプランを一緒に考えさせていただいています。 アメリカでお仕事をお探しであれば、アメリカ求人多数のクイックUSAに是非ご登録ください!(無料)
★★クイックUSAにレジュメのご登録がまだの方は、今すぐご登録ください!★★

クイックUSAでは、ご登録者の方に対して無料のキャリアカウンセリングを実施しています。
★★Emailにてレジュメを送るだけで登録完了のエクスプレス登録もご利用いただけます!★★
アメリカで現在お仕事をされている方、OPTや学生の方など、現在アメリカに住んでいらっしゃる方へ
アメリカでのご転職・就職で何かご質問がございましたら下記よりご連絡ください。
