アメリカで働く人にインタビュー!第27回【フォトグラファー 田中大海さん】

 

    ハタラク人にインタビュー!  

アメリカではさまざまな業界で、数多くの日本人の方が活躍しています。このコーナーでは、アメリカで働く日本人の方に“ハタラク”楽しさや難しさなどをお伺いしています。今回はニューヨークで、フォトグラファーとして活躍していらっしゃる田中大海さんにお話を伺いました。  

 

ニューヨークで働く、フォトグラファー、田中大海さん

 

©Kuo-Heng Huang

 

田中大海さん(Omi Tanaka)

Photographer

https://omitanaka.com/

   

 

人物写真ではその人の自然の姿、

なるべく意図が感じられない写真が好きです。

 

 

田中さんの現在のお仕事について教えてください。

ニューヨークをベースに、フォトグラファーとして雑誌や広告の写真の仕事をしています。ロサンゼルスなどの他都市や海外での撮影にも出かけることがあります。  

 

©Omi Tanaka  

 

お住まいはブルックリンと伺っていますが今と昔では変わっていますか?

ブルックリンのブッシュウィックに住んでいますが、昔はタクシーの運転手さんに、「こんな所に住んで危なくないのか?」とか言われたものですが、今ではアーティストやファミリーもたくさん引っ越してきて随分様変わりしました。  

 

いつ頃から写真を撮るようになったのでしょうか?

カメラが好きな父の影響で、小さい頃から家族や風景写真を父のコンパクトカメラで撮っていた記憶があります。専門的な知識はありませんでしたが、写真を撮るのはずっと好きでした。  

 

本格的に写真に興味をもつようになったきっかけは?

22、23歳くらいの時に日本で知り合ったアメリカ人の友達が写真撮影に詳しくて、その友人から色々と写真の技術を教えてもらったのがきっかけです。またその人からフラッシュ一式と機材を譲り受けて、色々撮っていくうちに、もっと写真が好きになりました。  

 

どのような技術を教えてもらったのでしょうか?

例えば無線でフラッシュをつなげて焚く方法などですね。写真に色々な効果を与えることができるということがわかり、ますます楽しくなりました。主に友人のポートレートを撮っていたんですが、写真が一気に面白くなりました。  

 

そして、本格的に写真の勉強をされたのでしょうか?

サンフランシスコの大学、アカデミーオブアートの写真科へ留学することに決めました。大学では写真の技術以外にも、美術史や映画史などのクラスで芸術についてゼロから学んだんですが、学ぶことが多くてとにかく楽しかったです。  

 

特に印象深かったクラスはありますか?

映画のクラスは特に印象に残っています。ヌーヴェルヴァーグが好きな先生で、「アルファヴィル」などフランスの巨匠、ジャン=リュック・ゴダール監督の映画をある意味強制的にいくつも見せられました。(笑)とてもいい映画監督だと思いますし、影響も受けたと思います。今の好みに至る基礎を築けたのはこの時かなと思います。  

 

どのような影響を受けたのでしょうか?

詩的なところだと思います。ゴダールの映画は、実験的だしあまり説明的ではないので、今でも好きだなと思います。写真表現においても似ているところがあるので、詩的な方向になっていくのかなと思っています。  

 

©Omi Tanaka  

 

ニューヨークへは大学卒業後にいらしたのでしょうか?

そうですね。アカデミーオブアートを卒業した後はアメリカでプロのフォトグラファーになりたいと思っていたので学長に相談に行ったんですね。よく話に行ったり、相談したりしていたので、自分のこともよくわかってくれている教授で、一言「ニューヨークへ行きなさい」と言われました。シンプルに、ニューヨークは面白そう、ものづくりだったらニューヨークかなと自分でも納得できたので行くことに決めました。  

 

ニューヨークで仕事はどのように探されたのでしょうか?

大学の友人から知人を紹介してもらい、さらにそのまた友人を紹介してもらうなどして、アメリカの雑誌社を紹介してもらいました。その雑誌社からの依頼で写真を撮るようになったのがプロとしてのスタートでした。仕事がとれはじめると、色々つながりができて、そうした人とのつながりから少しずつ仕事が増えていくようになりました。  

 

アメリカの雑誌や広告の仕事が多いのでしょうか?

アメリカに限らず、日本、ヨーロッパ、アジアの有名雑誌など、海外のクライアントからの依頼も多いです。  

 

最近、印象に残った仕事を教えていただけますか?

ある有名なアメリカ人アーティストのポートレートを撮るという仕事をさせていただいたんですが、最近ではその仕事が一番印象に残っています。  

 

どのような撮影だったのでしょうか?

彼女のライフスタイルを撮るというコマーシャル系の仕事で、彼女のニューヨークの家で撮影しました。家に到着するなり、まずはお茶にしましょうと誘ってくれたんですね。暖かいお茶をいれてくれて、前の晩に家族と一緒に作ったというチーズケーキを出してくれました。まるで、家族や親戚とお茶を飲んでいるようなとてもリラックスした雰囲気の中、軽い世間話をした後、ゆっくりしたペースで、とても心地よい状態で撮影が始まりました。  

 

彼女からどのような印象を受けましたか?

まずは彼女のおおらかさですね。お会いする前からおおらかな人だという印象をもっていたんですが、想像以上に、もっともっとおおらかな人でした。(笑)また、ものをつくる人ならではの理解のしてくれ方がとても自然だったところも印象深いです。撮影では彼女が自由にしたいことをしているところを撮らせてもらいました。それも、自然に彼女の方から与えてくれるという感じでした。そうしてくれた彼女に感謝しています。

 

撮影の前にはどのような準備をされるのでしょうか?

人物の撮影であれば、インタビューやその人に関する記事を読んで、準備をするように心がけています。そしてその情報をもとに基本を組み立てて撮影に向かっています。でも撮影当日、自分が事前に思い描いていた印象と全く違うこともあるんですね。その場合も、それはそれで違いやギャップを歓迎し、ベストを尽くすように心がけています。  

 

どのようにして人物写真を撮っていらっしゃるのでしょうか?

抽象的ですが、人物写真はその人と自分が一緒に過ごした時間、共有した時間なのかなと思います。被写体を自分のイメージに合わせるというよりかは、対話しながら、その時の共有している時間を無理なく撮るようにしています。

 

 

©Omi Tanaka  

 

お仕事ではCovid-19の影響などはありましたでしょうか?

残念ながらコロナでキャンセルになってしまった仕事もありました。写真の業界に限らず影響を受けた業界は多かったのではないでしょうか。コロナ禍での撮影現場ではスタッフ全員がPCR検査を受けたり、現場では感染対策を十分にとって撮影が行われるなど気をつけながら仕事をしてきました。  

 

撮影の仕事以外で、個展とかも開かれるのでしょうか?

そうですね。つい先月にはミッドタウンで個展を開きました。自然との繋がりをテーマとした作品15点を展示しました。気候変動やコロナのパンデミックが続く中、今回は街中にある自然を写した作品を見ていただきました。  

 

©Omi Tanaka  

 

田中さんにとって仕事の喜びややりがいはどのようなものでしょうか?

この仕事をしていての喜びややりがいは、尊敬する人と正面に向かい合うことができるということです。写真を撮るという行為を通じてその人となにかしらつながりができることからして素晴らしいんですが、さらにもっと、この人はこういう人なんだろうなというところからもう一歩踏み出せる可能性がある。そういうところです。  

 

ご自身の写真では、どのような写真が好きですか?

好みとしては、その人をこう見せようとか思う意図がなるべくない写真が好きです。その人の自然の姿、意図が感じられない写真が好きですね。

 

仕事で大変だなと思うことはなんですか?

ロケの撮影が多いので、天候に振り回される時は困ります。最近では、気候変動のせいか、いきなりの豪雨が多くなっているように思います。豪雨では撮影はできませんので、とても困ります。大変だなと思うのはそれくらいですね。  

 

プロとして心がけていることはどのようなことでしょうか?

先ほども少しお話ししましたが、撮影前に事前準備をしておくのですが、当日実際にお会いした時に全く違う印象だったりすることがあります。全く違う場合でもそれを受け入れて、またその違いを歓迎して写真を撮るように心がけています。  

 

ところで、お休みの日はどのようにして過ごしていらっしゃいますか?

コロナのパンデミックで地下鉄を避け、自転車で移動することが多くなったのですが、今では自転車が趣味になっています。休みの日には自転車に乗って色々な所へ出かけて写真を撮っています。ブルックリンから橋を越えてマンハッタンまで行ったり、遠いところではコニーアイランドまで行ったりしました。  

 

アメリカでフォトグラファーを目指していらっしゃる方に一言アドバイスをお願いします。

なかなか難しいことなのですが、撮りたい写真をがんばって撮り続けることだと思います。  

 

今後の夢や抱負について教えてください。

来年は国内外を問わず、今まで行ったことのない色々な所へ出かけていきたいです。今はコロナでみんな我慢をしていると思うんですが、新しい出会いを求めて活発に活動していきたいですね。  

 

ありがとうございました。

こちらこそ、ありがとうございました。

 

   

【取材協力・お問合せ】

田中大海さん(Omi Tanaka)

フォトグラファー

ウェブサイト:https://omitanaka.com/

Instagram: @tanakaomi

https://www.instagram.com/tanakaomi/  

ポートレート撮影: Kuo-Heng Huang

https://kuohenghuang.com    

 

【取材・文】

QUICK USA, Inc.

菰田久美子(Kumiko Komoda)    

 


 
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