アマゾンで働くということ(8)ダイバーシティだけじゃない。Amazonが推進するDEIとは?

     

 

 
アマゾンで働くということ (8)

ダイバーシティだけじゃない。Amazonが推進するDEIとは?

- Diversity(多様性)、Equity(平等性)、Inclusion(包括性)が未来に向かうために欠かせない理由 -    

 

 

Diversity(多様性)、Equity(平等性)、Inclusion(包括性)。すべての人が安心して暮らせるよりよい社会をつくるために欠かせないこの3つの言葉はDEIと呼ばれています。近年、個人の尊重や、平等性に対する意識が高まっているなか、AmazonでもこのDEIをよりよい未来を築く、企業や社会を支える土台であると考えています。社員一人ひとりが個性を発揮し、生き生きと自分らしく働ける環境を生み出すためにAmazonが取り組んでいることについて、アマゾンジャパンコーポレート人事本部 ディレクター上田セシリアさんと対話しました。    

 

 

――アマゾンジャパンでは、DEIについてどのように取り組みを開始されたのですか?  

 

上田セシリアさん:私は、DEIは目標そのものではなく、目標への道筋であって、この過程には数多くの課題があると考えています。まずは、最初の一歩を踏み出すことが大切です。2015年に私たちが行ったことの1つは、世界的ベストセラーにもなったシェリル・サンドバーグの著書『LEAN IN 女性、仕事、リーダーへの意欲』の読書会でした。幹部役員全員がこの本を読み、本の中で実例として挙げられている駐車スペースの問題や、男性が会議中はテーブルについているが、女性はそのテーブルの周りに座っている例などをもとに、私たちも社内ですぐに実行して解決できる問題にはどのようなものがあるかを話し合いました。そして、この本を読んで、どのような無意識の偏見に気づいたかを話し合いました。そこで、一部の部署で、会議が夕方の時間帯にかからないようにしたり、協力企業様との会合を夜ではなく、昼食会に変えたり、などの変化が起きました。また、会議などで黙っている人に対して、何の意見も持っていないと決めつけるのではなく、積極的に意見を促すようにするなど、さまざまな問題にすみやかに対処することができました。  

 

こうした無意識の偏見をめぐる話し合いは、自分自身の持つ偏見だけでなく、互いの偏見にも気づかせてくれました。例えば、あるマネージャーは、キャリアアップ(昇進)を積極的に望まない人たち、それはたまたま女性の社員が多かったのですが、その人たちについて仕事よりも家庭を重視したいのだと考えていました。しかし、これは間違った思い込みや偏見かもしれないと気づいてからは、性別に関係なく、部下全員とより積極的にキャリアについて話し合うことを決めました。    

 

――こうした取り組みに対して、すぐに理解を得られたのでしょうか。何か工夫したことはありますか?  

 

セシリアさん:Amazonの創業者兼最高経営責任者のジェフ・ベゾスはDEIの重要性について次のように語っています。「Amazonは、多様なバックグラウンドやアイデア、視点を持った、ビルダー(会社を築く人)たちがつくりあげている会社です。こうした多様性は、すべてのお客様に代わって発明を行うためには不可欠です」