SDGsとは?企業にとって取り組むメリットは? Part1

 

 

 

みなさんはSDGsという言葉を聞いたことがありますか?今までにSDGsという言葉を聞いたことがあっても詳しくは知らないという方も大勢いらっしゃるかと思います。

 

今回はSDGsについてPart1とPart2の2回に渡って詳しく説明させていただきます。Part1ではSDGsの基本的な説明や企業にとってSDGsに取り組むメリット、そしてPart2では企業や個人のSDGsに対する具体的な取り組み例などをご紹介させていただきます。

   

SDGsとは

SDGsとはSustainable Development Goalsの略でエスディージーズと読み、日本語では「持続可能な開発目標」と言います。SDGsは、現在の世界をより良いものにしていくため、2030年までに世界が一丸となって取り組むべき国際目標です。

 

 

SDGsがどのようにできたのか

「SDGs(エスディージーズ)」は、2015年9月に国連で開かれたサミットの中で世界のリーダーによって定められました。2016年から2030年までの期間で達成を目指し、正式名称は「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030年アジェンダ」となっています。

 

 

SDGsの特徴

SDGsは、2000年に国連のサミットで採択された「MDGs(エムディージーズ/ミレニアム開発目標)」の後継です。MDGsが2015年に達成期限を迎えたため、MDGsに代わる新たな世界の目標として定められました。

 

MDGsは開発途上国に要点を置いた目標でしたが、SDGsではMDGsで達成できなかった反省点もふまえ、開発途上国だけでなく、先進国内における格差などにも注目し、世界全体で自国や世界の問題や課題に取り組み、「目標とターゲットがすべての国、すべての人々、及びすべての部分で満たされるよう、誰一人取り残さない」というコンセプトを目標にしています。

 

 

SDGsの5つのP

SDGsが目指す世界を理解するにはSDGsのキーワードである5つのPを知ることが大切です。5つのPはPeople(人間)、Planet(地球)、Prosperity(反映)、Peace(平和)、Partnership(連帯)を表しています。それぞれのPについて詳しくみていきましょう。

 
人間 (people)

PeopleのPは、人間を表すので、全ての人の人権が尊重され、そして平等に潜在能力を発揮できる社会を目指しています。また、貧困や飢餓をなくし、さらにジェンダー平等を達成することも目標にしています。さらに、すべての人々に平等な教育、衛生面の充実、健康的な生活を保障できる社会の実現が目標です。

 
 
地球 (planet)

PlanetのPでは、地球をあらゆる災害や破壊行動から守り、誰もが安心して暮らせる社会の実現を目指します。具体的には生産と消費に責任を持つことや、気候変動への対応、天然資源の持続可能、かつ的確な管理などが目標になっています。

 
 
豊かさ (prosperity)

ProsperityのPでは、すべての人達が豊かな生活を送り、自然と調和できる経済や、技術や社会の進展が目標となっています。

 
平和 (peace)

PeaceのPでは、持続可能で平和な社会を促進するため、すべての人が公正と平和を享受し、暴力や恐怖を受けない社会が目標となっています。また、同時にすべての人が受け入れられ、参加できるインクルーシブな世界の実現を目指しています。

 
パートナーシップ (partnership)

PartnershipのPではすべての国際機関や政府、市民社会などが参加できるグローバルなパートナーシップを目標としています。グローバルパートナーシップが確立できれば、経済的に恵まれない人々や、立場の弱い人々のニーズを特に重視しながら、誰一人取り残さずに、すべての人達が一丸となって目標達成に向けて努力できるでしょう。

これらの5つのPがSDGsのコンセプトを理解するうえでの最も重要なキーワードとなります。SDGsの17の目標はこの5つのPをもとに作成されています。さっそく、この5つのPをもとにSDGsの詳細な内容をみていきましょう。

 

 

SDGSの詳しい内容

SDGsは大きな17の目標とそれらを達成するための169の小さなターゲットで構成されています。さらにこの17個の目標は先程お話ししたSDGsのキーワードとなる5つのPによりカテゴライズすることが可能です。それぞれの目標を詳しくみていきましょう。

 

People(人間) 目標1-6

1.貧困をなくそう

あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ

 

2.飢餓をゼロ

飢餓に終止符を打ち、食料の安定確保と栄養状態の改善を達成するとともに、持続可能な農業を推進する

 

3.すべての人に健康と福祉を

あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進する

 

4.質の高い教育をみんなに

すべての人々に包摂的かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する

 

5.ジェンダー平等を実現しよう

ジェンダーの平等を達成し、すべての女性と女児のエンパワーメントを図る

 

6.安全な水とトイレを世界中に

すべての人に水と衛生へのアクセスと持続可能な管理を確保する

 

 

Planet(地球)目標7-11

7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに

すべての人々に手ごろで信頼でき、持続可能かつ近代的なエネ ルギーへのアクセスを確保する

 

8.働きがいも経済成長も

すべての人のための持続的、包摂的かつ持続可能な経済成長、生産的な完全雇用およびディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を推進する

 

9.産業と技術革新の基盤をつくろう

強靭なインフラを整備し、包摂的で持続可能な産業化を推進するとともに、技術革新の拡大を図る

 

10.人や国の不平等をなくそう

国内および国家間の格差を是正する

 

11.住み続けられるまちづくりを

都市と人間の居住地を包摂的、安全、強靭かつ持続可能にする

 

 

Prosperity(繁栄)

12.つくる責任 つかう責任

持続可能な消費と生産のパターンを確保する

 

13.気候変動に具体的な対策を

気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を取る

 

14.海の豊かさを守ろう

海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し、持続可能な形で利用する

 

15.陸の豊かさも守ろう

陸上生態系の保護、回復および持続可能な利用の推進、森林の持続可能な管理、砂漠化への対処、土地劣化の阻止および逆転、ならびに生物多様性損失の阻止を図る

 

 

Peace(平和)

16.平和と公正をすべての人に

持続可能な開発に向けて平和で包摂的な社会を推進し、すべての人に司法へのアクセスを提供するとともに、あらゆるレベルにおいて効果的で責任ある包摂的な制度を構築する

 

 

Partnership(連帯)

17.パートナーシップで目標を達成しよう

持続可能な開発に向けて実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する

 

これら17の目標には、全てを達成するために全部で169個のターゲットと呼ばれる、より具体的な目標が付随しています。それぞれのターゲットの詳細を知りたい方はこちらをご覧ください。

 

持続可能な開発目標(SDGs)とターゲット

(「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」(外務省仮訳)より)

   

企業がSDGsに取り組むメリットとは?

SDGsの基本的な考え方がわかっても、まだ新しいコンセプトなので、SDGsへの取り組みが具体的に企業にどのようなメリットがあるかをイメージしづらいかもしれません。下記にメリットをあげていきますので、ぜひ参考にしてください。

 

新たな市場、事業を創出するきっかけとなる

近年、SDGsに取り組む企業が急激に増加しています。その理由はSDGsに取り組むことがビジネスチャンスにつながり、企業の価値を向上させるからです。

 

一般的に社会や環境に配慮した取り組みはコストがかかり、売上につながりにくいイメージがあります。ですが、2017年のダボス会議(世界経済フォーラム年次総会)では、「SDGsの達成により、2030年までに少なくとも12兆ドルの経済価値、最大3億8,000万人の雇用が創出される可能性がある」と発表されました。つまり、SDGsにより新たな市場が創出されるのです。

 

また企業は基本的に、仕入先や販売先、外注先などのビジネスセクターとのつながりが主流です。ですが、SDGsに取り組むことにより、同じ課題を解決したい行政や、教育機関、NPOなど、これまで関わりのなかったパートナーとのつながりが生まれます。こうしたつながりをきっかけに、新たな事業を創出する機会が生まれるのです。

 

投資家から投資を受けやすくなる

2006年に国連のアナン事務総長が世界共通の投資ガイドラインとして「責任投資原則(PRI:Principles for Responsible Investment)」を提唱しました。これにより投資家はESG(Environment、Social、Governance)、つまり環境、社会、ガバナンスに配慮を行っている企業に投資をすることが奨励されています。

 

このPRIに賛同する投資機関は年々、増加し続けています。このESGとSDGsのコンセプトはとても近い関係にあるため、結果的にSDGsに取り組んでいる企業はESG投資を行いたい投資家から投資を受けやすくなっている状況です。

 

企業のブランディングやイメージの向上に役立つ

SDGsは世界193カ国が合意した世界共通の目標なので、SDGsのどの目標に取り組んでいるか示すだけで、国内外での情報の発信がしやすく、伝わりやすくなります。SDGsの取り組みが消費者や取引先に浸透すれば、企業イメージがアップして消費者、取引先から選ばれやすくなり、地域社会からも歓迎され、新たなステークホルダーの協力も得やすくなります。

 

ブランディングの方法として非常に有効です。またSDGsという意義あるミッションへの参画することで従業員のモチベーションアップにもつながります。

 

コスト削減やリソースの有効活用ができる

経営者の方の中にはSDGsへの取り組みは負担が大きく、コストがかかると考える方もいらっしゃるかもしれません。ですが、SDGsの取り組みは、コスト負担が前提となるものだけではありません。アイデアや発想の転換を行うことで、従来は廃棄していた材料の利用や、生産の過程を見直すことで原材料や水道光熱費の削減を行うなど、企業にとっても有益なコスト削減につながります。

 

企業が持続可能になる

SDGsに取り組むと今まで述べたメリットに恵まれ、それが企業に好循環をもたらし、企業価値もあがり、結果として企業の持続可能性が高くなります。近年、大手企業を中心にサプライヤーが企業がSDGsに配慮しているかを確認する動きも出てきており、SDGsへの取り組みが企業の生存戦略につながる時代はすでに到来しています

 
 

今回はSDGsへの理解を深めるため基本的なコンセプトや詳しい内容、企業にとってSDGsに取り組むメリットなどをご紹介しました。SDGsは企業だけでなく、個人で取り組むことも地球をよりよくし、後の世代へよい環境を残すためにとても重要です。

 

次回Part2では企業のSDGsへの具体的な取り組み例や個人でのSDGsへの取り組みを紹介していきたいと思います。

 


 

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