日本人留学生支援団体のご紹介【第1回】カリフォルニア工科大学日本人学生会

 

 

日本人学生会など、日本人留学生を支援したり、アメリカと日本のかけ橋となる活動を行っているアメリカの学生団体をご紹介するコーナーです。団体の概要や活動内容を写真とともにご紹介させていただきます。今回はカリフォルニア州のカリフォルニア工科大学日本人学生会の塚本さんにお話を伺いました。

 

 

     

 

 

カリフォルニア工科大学日本人学生会(Caltech JSA)

 

 

正式名称を教えてください。

カリフォルニア工科大学日本人学生会(Caltech Japanese Student Association)です。    

 

 

発足はいつでしょうか?

公式に会が発足したのは2019年。昨年になります。    

 

 

会員数や対象者について教えてください。

現在の会員数は、Caltech(カリフォルニア工科大学)の日本人大学院生10人程度です。  

 

実際にイベントを開催する際には、メーリングリストや個人的なつながりを通して、Caltechの研究者、UCLA、USCなどの他の大学に在籍される方、その他研究者かどうかに関わらず、ロサンゼルス周辺にお住まいの日本人の方などをお招きしております。参加者は弊団体の性質上Caltech関係者に偏ってはいますが、特に参加者の制限は設けておりません。    

 

 

   

 

 

活動について教えてください。

大学の留学生支援課が主催するイベントに参加したり、年度の初めに新メンバーの歓迎会を行ったりしています。学生会全体で行うイベントは年に数回程度ですが、個々のメンバーで食事会を開いたり、毎週スポーツをしたりなど、交流は盛んに行われています。また、Caltechで研究を行う日本人ポスドクや企業派遣研究員、LA周辺の他大学(UCLA, USCなど)の日本人などを含めた集まりも、月1回以上の頻度で開かれています。また、日本の高校生や大学生に向けたキャンパスツアーも要望に応じて執り行っています。

 

 

     

 

 

カリフォルニア工科大学について教えてください。  

 

   

 

【概要】

カリフォルニア工科大学(California Institute of Technology/通称:Caltech、カルテック)は、アメリカの西海岸・ロサンゼルス近郊のパサデナという準高級住宅街の一角にある私立大学です。  

 

日本ではあまり馴染みのない大学かもしれませんが、実は世界大学ランキングでは、毎年常に1~5位にランクインする名門大学で、NASA(アメリカ航空宇宙局)のジェット推進研究所を有し、科学・工学分野で世界に大きな影響を与える研究を多数行っています。  

 

規模はとても小さく、学生数は東大やハーバード大の10分の1以下、MITの5分の1以下ですが、より多くの時間とお金を1人の学生、1つの研究に投資し、ユニークな技術革新を生み出し続け、実際これまでに日本全体よりも多い38人(39回)ものノーベル賞受賞者を輩出しています(2020年現在)。  

 

現役教授にも、ノーベル賞受賞者やアメリカ国家科学賞受賞者、全米アカデミーズ会員などが多数在籍しており、Caltechでは、このような著名な教授の授業や研究指導を気軽に受けることができます。  

 

また、学生数が少ないので、学生同士を競わせることによって教育の質を維持するアメリカの多くの大学とは異なり、教育の質は学生の自主性によって保たれている部分が多く、のんびりと比較的自由に勉強・研究に取り組める世界でも類を見ない大学です。    

 

 

   

 

 

【キャンパス】

キャンパスは小さく、端から端まで5-10分で歩けるくらいです。  

 

キャンパスの至るところに、科学にちなんだ装飾があるのが特徴的で、噴水や建物の柵、地面などを注意して見ると見つかります。  

 

実はCaltechはThe Big Bang Theoryというアメリカで大人気のコメディードラマの舞台にもなっています。12シーズンもあるので、気軽に楽しく英語の勉強したい人にはおすすめです。  

 

Caltechでの生活の様子が気になった方は、私たちのインタビュー動画や一日密着動画がYouTubeに掲載されているので、そちらもチェックしてみてください。    

 

Caltechの著名人】

・ゴードン・ムーア:半導体素子メーカー「インテル」の創設者。

・ロバート・ミリカン:Caltechの創立者の一人。高校の教科書にある「ミリカンの油滴実験」でも有名。

・アーノルド・ベックマン:pHメータ(酸性・アルカリ性の測定器)の開発者。

・リチャード・ファインマン:20世紀で最も有名な科学者として広く認知されている。量子電磁力学の発展に寄与。「ファインマン・ダイアグラム」の発案者。

・マレー・ゲルマン:原子を構成する基本粒子「クォーク」の提唱者。

・ライナス・ポーリング:化学結合の研究に加え、物理・生物・医学に広く貢献。ノーベル化学賞・平和賞を共に受賞。

・Netflixの大人気シリーズBreaking Badの主人公Walter Whiteも実はCaltech出身という設定みたいです。    

 

 

塚本さんの研究分野について教えてください。

私の専門は、Aerospace AutonomyとSystems & Control Theoryと呼ばれるものです。  

 

名前からは想像がつきにくいと思うので、わかりやすく言うと、宇宙機、ロボット、今流行りの自動運転車、などなど様々なハードウェアに命を吹き込み、設計者の思い通りに自在に動かすための研究をしています。  

 

特に、宇宙のような極限的な環境、人間の直接的な指示が届かないような環境において、宇宙機・ロボット自身が人間のように自律的に考え、状況に応じて最適な行動を選択し、目的のミッションを達成するための理論、ソフトウェア開発に興味を持っています。  

 

最近は色々な意味で使われていて定義が曖昧ですが、AI・人工知能の開発にも必要不可欠な学問です。

 

 

COVID-19の影響で団体の活動に何か支障はありますか?

現在は大学でのイベント開催が禁止されているため、残念ながら団体としての活動はほとんど行えておりません。オンラインでの活動については現在模索中です。    

 

 

COVID-19の感染拡大で留学生活や就職活動などに影響は出ていますか?

情報が錯綜しているため具体的なことはなかなか申し上げられませんが、私の周りの大学院生の皆さんはそこまで大きな影響は受けていないと思われます。    

 

 

カリフォルニア工科大学日本人学生会に参加してよかったと思うことを教えてください。

Caltech、NASA JPL、UCLA、USC、SciArc、ArtCenterなど、ロサンゼルスに位置する数多くの研究機関、教育機関で活躍する方々や、それ以外でも、様々な領域で様々な志を持ってアメリカに渡ってきた、バラエティー豊富なバックグラウンドを持つ方々と知り合い、気軽に交流する機会が持てることは、日本ではそう簡単には経験できないことで、私にとっても、ここで得られたつながりは非常に貴重な財産だと思います。    

 

 

留学をしてよかったと思うことを教えてください。

航空宇宙工学専攻で全米1位のCaltechにて、最先端の研究設備を駆使しながら、非常に優秀な研究者や学生の方々に囲まれ、互いに切磋琢磨しながら研究に打ち込むことができる環境にいることは(もちろん、圧倒的な能力の高さを見せつけられ、悔しい思いをしたり、挫折を味わったり、などの経験は普通よりはかなり多くなってはしまいますが)我ながら本当に恵まれていると感じます。    

 

 

これから留学する人に伝えたいことを教えてください。

語学留学・交換留学の方へ

思ったより英語が上達していないと感じてもめげずに、それを帳消しにするぐらいユニークでエキサイティングな最高の経験を積んで、日本にはないワクワクとドキドキをできるだけ多く体感することに全精力を注ぐつもりでいるのが一番だと思います。  

 

学位留学の方へ

すべての人がアメリカで勉強するのが良いとは全く思っていませんが、学位留学は意外と簡単にも関わらず、そこで得られる経験は何物にも代え難いので、後から後悔しないためにも、多くの人に人生のどこかのタイミングで、一つの選択肢として学位留学について考えてみて欲しいとは思っています。私のWebサイトでも大学院留学情報をまとめているので良かったら見てみてください。    

 

 

カリフォルニア工科大学日本人学生会の会員になるにはどうしたらよいでしょうか?

学生会のイベントに参加する際に特別な手続きは必要ないので、興味があれば記載の下記メールアドレスに連絡してください。    

 

 

【取材協力】

カリフォルニア工科大学日本人学生会(Caltech JSA)

副代表

塚本紘康

航空宇宙工学専攻 博士課程3年生

https://cjsa.clubs.caltech.edu/

email: japanesestudassoc@caltech.edu

個人Webサイト https://usphdlife.com/  

 

youtube: https://www.youtube.com/watch?v=ieHObQ5zZDs&feature=youtu.be      

 

 

 

*ウェブサイトでご紹介可能な日本人学生会など、日本人留学生を支援したり、アメリカと日本のかけ橋となる活動を行っているアメリカの学生団体を大募集中です。下記までご連絡ください。  

 

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【バックナンバー】

No.1 日本の人事について、トランプ政権発足以降のビザ取得の状況

No.2 人事が知っておくべき高額医療/消費者保護法(CCPA)施行/感染症対策

No.3 コロナウィルス拡大で米国CDCも推奨「在宅勤務」について/シックリーブ

No.4 在宅勤務特集/在宅勤務に関するQ&A

No.5 コロナウイルスに関するQ&A/WiFiの規定/より快適な在宅勤務のコツ

No.6 CDC雇用者向けページを確認しよう/After COVID-19の訴訟について

No.7 ポスト・コロナの職場環境/ビザ取得の状況/WEB面接のコツ

No.8 出社への不安という理由/職場再開における適正な準備と手順

No.9    Return to Workのポリシーを作ろう/オフォス再開に関する一問一答

No.10  コロナ禍で考える「評価制度の構築」/ Don’t be silent ~アメリカの人事は差別との闘いであるから

No.11  移民法、雇用調整助成金(ERC)最新情報

No.12 失業保険の不正受給が急増/評価制度Q&A

No.13  職場におけるコロナ関連訴訟/オフィス対策/感染テスト    

 

 

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