最新!L-1ビザとEビザの申請状況についてのQ&A

L-1ビザとEビザの最新情報について、SW Law Group, P.C.のオフィスマネージャーの吉窪智洋さんにお話を伺いました。

 

 

 

 

-QUICK USA

L-1ビザとEビザの申請審査が厳しくなっていると聞いていますが本当でしょうか?

 

-吉窪

L-1ビザ、Eビザともに弊社では多くの申請を行っておりますが、年々審査が厳しくなっているのは実感としてございます。

 

 

-QUICK USA

まずL-1ビザについて教えていただけますでしょうか?

 

-吉窪

L-1ビザとは同系企業内転勤者が申請する非移民ビザで、アメリカにある会社のマネージャーまたはエグゼクティブであること。または特殊な知識を使ってアメリカの会社で職務に従事する専門職である者に対して発給されます。L-1ビザにはさらに詳しく言うとL−1AとL−1Bがあり、L−1Aがマネージャーやエグゼクティブ、L−1Bが専門知識をもつ人向けのビザとなります。また申請にあたっては、アメリカ国外の親会社、子会社、関連会社などにて過去3年のうち1年以上L-1に求められる業務内容にて勤務していることが条件とされています。

 

 

-QUICK USA

L-1ビザの申請はどのようにするのでしょうか?

 

-吉窪

アメリカの同系企業が雇用主となりますので、Petitionerとして移民局(USCIS)へ嘆願書(Form- I-129)等を申請者のために提出します。移民局(USCIS)が審査を行い、審査に通れば許可通知(I-797)が雇用主に送られます。申請後、追加の情報や資料を求める質問状が発行される場合もあります。その後、申請者は必要書類を持ち、アメリカ国外にある米国大使館、領事館にて面接を受けます。面接の審査が終了し承認されればビザが発給されます。その他、特定の会社に限り、Lブランケットというものがあり、こちらは移民局申請なしにアメリカ大使館、領事館での面接のみでビザを取得できる方法もあります。

 

 

-QUICK USA

移民局申請にて認可されるL-1ビザの有効期限はどのくらいでしょうか?

 

-吉窪

通常は、まず3年間有効のビザが発給されます。その後更新を行えば2年ずつ延長することができます。L−1Aの場合は最大7年、L−1Bの場合は最大5年までアメリカでの滞在が可能です。もし、設立1年未満のアメリカの新会社を通しての申請の場合、最初は1年しか認可されません。

 

 

-QUICK USA

L-1ビザの審査が厳しくなっているのはどういう点でしょうか?

 

-吉窪

法律そのものは変わりませんが、審査基準がかなり難しくなっていると感じております。日本での経験はアメリカでのポジションに対して十分なものであるか、またアメリカでのポジションもL-1にふさわしいものであるかなど、詳細に審査がなされます。以前は問題なく認可されていた同様のケースでも質問状が発行される場合が多くあります。経験やアメリカでの予定ポジションに関する説明は会社からのサポートレターだけでは不十分で、それを裏付ける具体的な証拠資料(単なる雇用の証明ではなく、例えば専門職であれば、どのような専門性があるか、特許を持っているか、どのような実績を上げてきたかなど、様々な側面からの立証)も求められます。サポートレターそのものも詳細な説明が求められている傾向にあると感じています。

 

 

-QUICK USA

次にEビザについて教えてください。

 

-吉窪

EビザにはE-1ビザ(貿易業者用)とE-2ビザ(投資家用)があります。Eビザはこのビザに関わる条約を結んでいる国の国民のみに発給される非移民ビザで、日本はE-1ビザおよびE-2ビザに関する条約を締結しているため、日本国籍をもつ人はEビザを申請することができます。

 

-吉窪

E-1ビザは全国際貿易の半分以上を日米間で取引(継続的な相当量の貿易)している企業をビザスポンサーとして、その企業にて雇用される人に発給されるビザです。一方、E-2ビザとはアメリカ国外からアメリカに積極的な相当額のビジネス投資をした企業(個人の場合もあり)をビザスポンサーとして、その企業にて雇用される人に発給されるビザです。Eビザは通常移民局を通すことなくアメリカ大使館、領事館のみでの申請が可能で、認められれば5年間有効なビザが発行されます。ただ、アメリカ滞在期間は、アメリカ入国の度ごとに最大2年の滞在許可がもらえます。

 

 

-QUICK USA

Eビザの審査が厳しくなっているというのはどのようなことでしょうか?

 

-吉窪

Lビザと同様の答えになろうかと思います。EビザもLビザ同様に管理職または専門職に対して与えられるビザですが、申請者の経験が十分であるかについて、相当に厳しいチェックが入ります。特に他社からヘッドハンティングした人の雇用など、その専門性が実際のアメリカでの仕事にマッチしているかなども細かく審査されることでしょう。マネージャーでも単に部下がいたというだけでは不十分で、どのような経歴をもつ部下のどのような仕事をどのように監督していたか、納得のいく形で説明することが大切です。これはLビザに対しても同様です。また、Lビザ同様、それら経験等を裏付ける証拠資料の提出も必要となってきます。

 

 

-QUICK USA

L-1ビザやEビザを申請する際に、上記以外で気をつけたほうがよいことは何でしょうか?

 

-吉窪

政府の審査基準は年々厳しくなっております。1年前は大丈夫だったもの今では十分とは言えないことも多くあります。我々が作成し、提出する資料もその移民局の審査基準(移民局が特に気にして確認していると考えられること)に合わせて取りまとめるようにしています。それでも、何から何まで提出すれば絶対大丈夫というものでもなく、ポイントを押さえて、特に移民局にアピールしたいものをどのように理解してもらうか、また申請書もより戦略的に取りまとめることが重要でしょう。移民局審査官も一つの申請書類に対して短時間で目を通しますので、より簡潔にかつ具体的にポイントを押さえた書類作りが求められます。

 

ビザの申請とは異なりますが、トランプ大統領の政府のもとでは、L1ビザを雇用している会社に対して訪問による監査を増やすとも言われています。この訪問の目的は、その会社で就労ビザの詐欺行為が行われていないかを監査することが主な目的で、そのようなことが発覚すれば、いつでもビザは取り消しの対象となります。今後、各企業にも抜き打ちで突然監査官が査察に入ることがありますので、いつでも適切な対応ができる様、準備をしておくことが大切です。

 

 

【取材協力】

SW Law Group, P.C.( http://www.swlgpc.com)

New York Office

オフィスマネージャー

吉窪智洋

108 West 39th Street, Suite 800, New York, NY, 10018

Tel:212-459-3800

SW Law Group, P.C.は、ニューヨークのマンハッタンに1994年に設立以来(設立当初はシンデル法律事務所)、移民法の専門弁護士事務所として1万件以上のビザ、永住権等の取得実績を誇る。2011年4月にはCA州シリコンバレーにもオフィスを設立。NY, CA, 日本を拠点にリーガルサービスを提供している。